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» 2018年02月02日 13時34分 公開

で、ぼくらはいつ自動運転車に乗れるんですか? 研究歴20年、金沢大学 菅沼准教授に聞く (4/7)

[本宮学,ITmedia]

――えっ。そうなんですか。


菅沼准教授


 ええ。いまの運転支援システムは高速道路で使えるものがほとんどですが、高速道路に歩行者はいませんよね。それに、道路の真ん中に側壁みたいなものもない。だから運転支援システムはもともと、クルマのような大きい物体や、小さくてもバイクのようなものしか捉えられていないんです。


 例えば落下物があったときに、きちんと回避したりできるように設計されていないので、一般道でそういったものを捉えられるかというと、そうではない。それに高速道路にはないような曲がりくねった道も対象外ですよね。……といったように、技術的にはかなり違うと思います

――例えば落石だとか、田舎道でいきなりシカが出てきたりとか、そういうものも難しいんですね。


菅沼准教授


 難しいでしょうね。特に高速道路向けの運転支援システムは、横切る物体をほとんど検知しないように設計されているので、歩行者やそういった物体が出てくる環境だと厳しいと思います。


――海外では「運転席に人が座っていないトラックが何キロ走った」などの実験も行われていますが、そのような技術でも難しいんですか。


菅沼准教授


 どこを走るかにもよります。例えばアメリカの道路って、ほとんど人が歩いていない道も多いですし、都市間の道はほぼ高速道路のようになっている場合もあります。そこで20〜30キロ程度を走るのであれば、これまでの技術でもいけるかもしれませんね。


 一方、Googleなどの最新鋭の技術を積んだクルマが街中を自動運転で走るとなると、それはまた全然レベルが違っていて。このように、場所によって全く違いますね。

photo 米国でビールを運ぶ、Uber傘下のOttoの自動運転トラック(関連記事:Uber傘下のOtto、自動運転トラックでバドワイザーの缶ビール5万本の運送を完了

――いま最先端の自動運転技術だと、どの程度のことができるのでしょうか。


菅沼准教授


 民間企業はシステムの詳細を公開していないことも多いので、分からない部分もあります。少なくともわれわれが一番よく知っている金沢大学のシステムの場合だと、大学から駅や幹線道路、街中を通って、10〜20キロを普通に自動運転できるようになっています


――それは周りのクルマや歩行者もいる中でですよね。


菅沼准教授


 もちろんです。ある程度しっかり取り組んでいる研究者ならば「自動運転で一応動けるレベル」まではさすがにできるようになっていると思います。


 ただし、先ほどの不測の事態……例えば道路脇から歩行者がふらっと出てきたり、自転車が突然変な動きをしたりといったことに毎回きちんと対応できるものを作るためには、かなりの量の検証データが必要になります。そこでは大企業が強みを持ち、実用化に向けて進めていく可能性がありますね。

――2020年代ごろに高速道路で実用化されるのが自動運転社会の出発点だとしたら、われわれのような一般人が一般道で自動運転車に乗れるようになるのはいつごろですか。

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