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「ピアノToy-Con」に至る任天堂音楽ソフトの歴史立ちどまるよふりむくよ(2/3 ページ)

» 2018年02月23日 08時04分 公開
[松尾公也ITmedia]

ニンテンドーDS「KORG DS-10」はプロが演奏で使えるアナログシンセ

 1978年に発売されたKORG MS-10という初心者向けのものフォニックアナログシンセサイザーがあった。これをほぼ完全にシミュレートしてニンテンドーDSの筐体に収めてしまったのが「KORG DS-10」。2004年に発売されたDSを2008年にアナログシンセへと変えてしまった。

 2台分のMS-10音源をパッチケーブルまで含めて同時に演奏できるだけでなく、ドラム音源も完備していて、ドラムパターン、ピアノロールの譜面でかなり複雑な楽曲を演奏できる。スタイラスペンを使って鍵盤や、スケールをサポートしたX-Y軸のコントローラなどで自在にメロディーやエフェクトを扱えるため、ライブに用いる人も多かった。

photo KORG DS-10を使っている筆者のYouTube投稿(10年前)

 開発を担当した佐野電磁さんたちにインタビューをしているので、そちらもぜひ。

Wii「Wii Music」は簡単操作の楽器シミュレーターだった

 2008年、据え置き型ゲームマシンWiiで動く「Wii Music」が発売された。2006年に発売されたWiiの特徴的なコントローラであるWiiリモコンとヌンチャクを駆使し、実在の楽器演奏を模倣するというもの。

 「楽器を弾きたいけれども弾けない」という、宮本茂さんの体験をベースに、それが簡単に実現できるように工夫を凝らしたソフトだ。ギターならチョーキング、ピアノならグリッサンドがスティック操作だけでできてしまう。Guitar HeroやRock Bandに対する任天堂なりの回答だったのかもしれない。

 この中のミニゲーム「なりきりオーケストラ」では、指揮棒代わりにWiiリモコンを振る。まるでNintendo Laboのテンポコントロールのように。

photo 任天堂のWii Music解説ページ

ニンテンドー3DS「大合奏!バンドブラザーズP」はボカロ作曲ツールだった

 バンドブラザーズはニンテンドーDSのローンチタイトルとして2004年から続く音楽ゲームソフト。數十種類の楽器の音色をスタイラスペンでリアルタイム演奏したり、作曲したりできる。

 2013年にニンテンドー3DS向けに発売された「大合奏!バンドブラザーズP」ではさらにVOCALOID音源が加わり、歌詞とメロディーを入力すると、VOCALOIDによる歌声を再生できる。VOCALOIDの声色を自分の声に似せることも可能だ(あくまで音色を近づけるという程度だが)。バンブラPでは72種類の楽器をサポートしている。

photo 大合奏!バンドブラザーズP

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