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» 2018年04月04日 17時17分 公開

なぜ地方のクリーニング屋で機械学習? 「無人店舗作りたい」 たった1人、独学でAI作る副社長の挑戦(2/2 ページ)

[村上万純,ITmedia]
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 毎日数秒おきに店舗のカウンターを自動撮影する仕組みを用意し、約2万5000枚の画像を収集することでデータセットを準備した。独学で機械学習を学びながら、必要となるデータセットも準備してきた田原副社長は「AI開発の過程でいくつもの壁にぶち当たった」と振り返る。

画像 画像データを収集
壁 田原副社長がぶち当たった壁

 それは(1)課題設定が明確でないと、自分の目的に合ったデータを使っての機械学習ができない、(2)ディープラーニング用のデータ収集と分類に膨大な手間が掛かる、(3)機械学習の内容自体が難解である、(4)実際の業務オペレーションや費用対効果がどうなるか分からない、といったもの。独学で開発したものを実際の業務に落とし込んできた田原副社長だからこそ痛感できたという。

 今後もシステムの改良は続ける。現在、業務用チャットワーク内に常駐させているチャットbot「SUZY」(数字で見る人なのでスージー)は売上分析やセールの効果分析などを行っており、チャットワーク内で必要な項目をテキスト入力すればSUZYが自動で報告書を作成してくれるという。

 同じくチャットbotの「太志」(ふとし、シフトのもじり)は、同じくテキスト情報を基にシフト表の自動作成や勤務時間の自動分析を行う。チャットbotにキャラクター性を持たせることは、各業務への取っつきづらさを解消する意味もあるが、田原副社長はさらに使いやすいUIにこだわる。「使いやすければ、今後はチャットbotではなく、スマートスピーカーなどで音声入力できるようにするかもしれない」(田原副社長)

チャット RPA(Robotic Process Automation)とチャットbotを使った取り組み

夢は「無人店舗オープン」

 これらの取り組みは、コストパフォーマンスを考えたときにどれだけ業績アップなどに結びついているのか。田原副社長は「開発にかけた労力がどれだけ実益に結びついたか、実は無駄があるんじゃないかと考え出すと、何もできなくなる」と、まずは目の前の課題に取り組むことを重視する。

 田原副社長は「19〜20年には無人店舗をオープンしたい」と続ける。衣類の受け取りや、実際のクリーニング業務はどうするのかなど疑問や課題は多く残るが、「これまでも無謀な取り組みを続けてきた。自分の課題=業界の課題として、これからも未来を作っていきたい」と意気込む。今後はレジ入力の自動化なども検討していく。

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