利用当日はまず、ReachNowのスマホアプリから近くにある利用可能な車体を検索します。クルマを選ぶと30分間確保(キープ)できるので、その間にアプリでクルマの鍵を開けて乗車します。物理的な鍵は必要なく、運転を始める際も備え付けのスクリーンに表示された手順に従っていけばエンジンがかかります。
目的地に着いたら、利用を終了するか同じクルマをキープするかを選択します。ReachNowを使ってサービス提供地域外に移動することもできますが、利用を終了する際にサービス提供地域内に戻って駐車する必要があります。
夕方ホテルに戻るまで利用し、路駐して利用を終了しましたが、チェックイン後に外へ出てみるとすでに他の人が乗り込んでいたので、ポートランドでは頻繁にReachNowが使われているのではないかと思います。
返却する時間や場所を決めずに利用できるのは、計画通りに行動するのが難しい子連れ旅行にぴったりでした。自分で運転していれば、子供が眠ってしまっても気軽にドライブを延長することができますし、UberやLyftのようなライドシェアサービスのように迎えを待つ必要もありません。子供の体力を考慮して好きなペースで動けるというのは、家族連れにはうれしいポイントでした。
しかし、アプリの操作には戸惑うこともありました。アプリ画面には「Lock/Unlock」の表示があるのみで、それがクルマの鍵の解錠・施錠のことなのか、利用権のキープ・リリースのことなのかがはっきりしません。うっかり荷物などを置いたまま施錠し、利用権をリリース(アンロック)してしまうと、別の人が予約を入れてしまう可能性もあります。
また、駐車モードの変更などはアプリだけでなく車内のタッチパネルも操作する必要がありました。タッチパネルで必要な操作をアプリで案内してもらえた方が、初めて使う人には安心だと思います。
そして、残念ながら私たちが借りたクルマの中はさほどきれいだと呼べる状態ではありませんでした。必ず同じ場所に返す必要がないためこまめに掃除されることがなく、借り手にも所有意識がないので使ったままにしているからでしょう。こうした点はシェアリングエコノミーの課題といえるかもしれません。
加えて、今回私たちはベビーカーのフレームに載せられるチャイルドシートを持っていきましたが、アメリカでは州によって交通規則が異なるため、旅先で手持ちのチャイルドシートが使えない場合もあります。レンタカーであればチャイルドシートを別料金で借りられることもあるので、目的地や旅行プランに合わせてカーシェアリングサービスと使い分けるのが便利だと思います。
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