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» 2018年10月24日 21時19分 公開

「けん制機能を存分に発揮できる」 仮想通貨交換業協会、自主規制の実効性に自信

金融庁が、仮想通貨交換業者16社で構成される「日本仮想通貨交換業協会」を、資金決済法に基づく自主規制団体に認定した。協会は、自主規制の実効性に自信を見せる。

[片渕陽平,ITmedia]

 金融庁が10月24日、仮想通貨交換業者16社で構成される「日本仮想通貨交換業協会」を、資金決済法に基づく自主規制団体に認定したと発表した。認定団体となったことで、加盟企業への立ち入り検査、罰金を科すなどの処分が可能になる。加盟企業のテックビューロが運営する「Zaif」の流出トラブルが記憶に新しい中、4月の設立から半年、スタート地点に立った協会は、自主規制の実効性に自信を見せる。

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「けん制機能を存分に発揮できる」

 協会は同日、加盟企業に対し、自主規制規則を施行した。匿名性が高く犯罪に悪用される恐れがある通貨の取り扱いを禁止する、取引所からの盗難リスクに備え、銀行預金や国債など安全資産を保有するよう義務付ける、インターネットに接続するホットウォレットで管理する顧客資産は20%までに抑える、といった内容を盛り込む。仮想通貨の証拠金取引にも踏み込み、証拠金倍率の上限を原則4倍とすることも定めた。

 金融庁から認定を受けたことで、こうした自主規制規則に基づき、加盟企業に対し「けん制機能を存分に発揮できる」(協会の奥山泰全会長)。必要に応じて立ち入り検査、内部体制の報告を求める、課徴金などを課すといった権限を有する。

 証券業界などでは、金融庁が、認定する自主規制団体のルールに基づいて個別の企業へ指導するケースもある。奥山会長は、仮想通貨業界でもそのように「行政との連携を図れる体制が整った」と期待を寄せる。

 「昨今のテクノロジーの成長、サイバー攻撃の状況を考えると、法令だけではカバーできない。喫緊の課題への対応、細部までの状況把握、規制全体の方向性決めは、業界団体が自主的に取り組むことが肝要だ。個々の企業は、業績や利益を追い求めるところもあり、業界団体が一律で守るべきルールの合意を取り続けることが重要だ」(奥山会長)

photo 日本仮想通貨交換業協会の奥山泰全会長。奥山会長は、加盟企業の1つ、マネーパートナーズの社長を務めている

 一方、実効性を担保するために、協会内部の人員を強化する。監査法人や証券会社から出向した専門知識を持つ人材を5〜6人抱え、リスク管理などの知見を生かしてもらう考えだ。テクノロジーに精通する人材の確保も進める。

 奥山会長は「日本は諸外国に比べて、仮想通貨業界のルールが早い段階で施行された“リーディングカンパニー”だと思っている」と話す。「(コインチェック、Zaifなど)仮想通貨の流出事件が起きたことは遺憾だが、(事件を契機に)早い段階でルール整備ができたことはチャンスと考えている。利用者保護を最優先に、仮想通貨市場の健全な発展に努めたい」

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