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» 2019年02月28日 20時36分 公開

体当たりッ!スマート家電事始め:「ロボホン」はシャープAIoT戦略の“キーマン”に (1/2)

シャープが通信機能を搭載するモバイル型ロボット「RoBoHoN」の新製品を発売した。少し安くできた理由とそこに込められたシャープの戦略、そして新機能の詳細まで紹介していこう。

[山本敦,ITmedia]

 シャープは、本体に通信機能を搭載するモバイル型ロボット「RoBoHoN」(以下、ロボホン)の“第2世代”にあたる新製品3機種を2月27日に発売した。初代機の発表から約3年を経て、アップデートを迎えたロボホンは、スマート家電としても大きな成長を遂げていた。

ロボットであり、スマホにもなる「RoBoHoN」(ロボホン)。スマート家電連携など新機能を多数追加した

 3機種のうちLTE/3GモデルとWi-Fiモデルはハードウェアとしての基本性能をブラッシュアップしつつ低価格化を図った。どちらも2万円ほど安価になった理由は、新ロボホンの製造が広島県の自社工場から親会社である鴻海(ホンハイ)精密工業の海外拠点に移って効率化が図られたからだ。また初代機に搭載していたプロジェクター機能を省いたこともコストダウンに貢献している。

歩行機能を省いて低価格化を図った「ロボホン lite」

 着座タイプの“歩かない・踊らない”「ロボホン lite」は価格が7万9000円(税別)と、2足歩行できるモデルに比べるとさらに安価だ。シャープでロボホンを担当する景井美帆さん(シャープ、IoT HE事業本部 IoTプロダクツ事業統轄部 市場開拓部長)は、「脚部を動かすためのモーターを省いたことで価格を下げることができた」と説明している。

ロボホンを担当するシャープの景井美帆氏

 専用アプリについてはロボホンの新旧モデル間で動作互換を確保した。ロボホンはAndroid OSをベースにカスタマイズした独自のプラットフォームを採用しており、ユーザーはロボホン専用アプリをインストールして使う。

 第2世代に合わせて登場するアプリは46種類。アプリが実現する新サービスには、お留守番、ヘルスケア、ロボットプログラミングの他、ロボホンが歌うカラオケ、IoTリモコン連携などがある。例えば「ヘルスケア」はユーザーの体重や運動量(歩数)を伝えるとロボホンが健康アドバイスをしてくれるというものだ。有料サービス(月額300円)に加入すると食事アドバイス機能が追加される。

「お留守番」は、ロボホンが人物を検知すると内蔵カメラで写真を撮り、設定したアドレスに送信する機能。リアルタイム映像のモニタリング機能は有料で提供される
タニタと強力して5月に開始する「ヘルスケア」サービス。体重や歩数を伝えるとロボホンが運動のアドバイスをくれる

 安価なロボホン liteをラインアップに加えた背景には、B2Bの顧客創出を促進する狙いがある。シャープの長谷川祥典専務(シャープ、専務執行役員 スマートホームグループ長 兼 IoT事業本部長)は、これまでも教育、環境、接客の3分野については法人顧客から多くの引き合いがあったと話す。

シャープの専務執行役員でスマートホームグループ長兼IoT HE事業本部長を務める長谷川祥典氏

 法人のニーズに応えるため、シャープでは新たに「施設案内」と「受付」アプリを準備した。来客時の動作シナリオは、パートナーのACALLがカスタマイズサービスとして提供する。商業施設での多言語ガイドは日本語、英語の他、中国語、韓国語にも対応できるという。

 また英会話教室「アルク Kiddy CAT英語教室」では、今年の5月からロボホンを活用した英会話の授業を始めた。18年の5月から8月まで首都圏のアルク英会話教室2校で実施した実証実験が好評だったことを受け、今回の正式採用が決まったという。ヒト型のロボホンには生徒が抵抗感なく話しかけることができるうえ、学ぶモチベーションの向上にもつながる手応えがあったという。

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