ディー・エヌ・エー(DeNA)とPreferred Networks(PFN)が共同設立したPFDeNAは4月24日、少量の血液からがんの有無を判定するシステムの実用化に向け、専用ラボを開設したと発表した。
PFDeNAは、2018年10月にディープラーニング(深層学習)で胃がんや肺がん、乳がんなど14種のがんを判定するシステムの研究開発を始めた。医薬品医療機器総合機構の承認を得た上で、2021年を目標に事業化する計画で、ラボ開設によって「検査システムの開発をより加速させる」としている。
近年の研究で、がんになると体液に含まれる「細胞外RNA」という物質の種類や量が変動することや、罹患した臓器によって細胞外RNAの発現に違いがあることなどが分かっている。開発中のシステムでは、採取した血液から細胞外RNAを計測。計測結果と臨床情報を使ってディープラーニングを行い、14種類のがんの有無を高精度で判定できるようにする。
ラボでは、採取した血液を−80度で冷凍保存する冷凍装置や、血液検体から細胞外RNAを自動で抽出する装置、医療機器として国内で初めて導入された、細胞外RNAの塩基配列を読み取る次世代シーケンサーなどを使用する。
PFDeNAは、DeNAとPFNが2016年に共同設立したベンチャー企業。国立がん研究センターとともに、がんの診断精度を高めるシステム開発に取り組んでいる。
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