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“タッチ対応PC”が議論を深めるキーアイテムに? 会議に参加する全員を主役にするコツ白木智幸のITフィットネス(1/2 ページ)

» 2019年05月03日 07時00分 公開
[白木智幸ITmedia]

 こんにちは、白木智幸です。今回からこれまでの連載をリニューアルし、新連載「白木智幸のITフィットネス」として再スタートしました。これまでと少し趣向を変えて、僕の本業でもある「働き方改革」を切り口に、フレキシブル(柔軟)な働き方と効率化を両立できるタッチ対応PCの活用テクニックを紹介します。

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テレワークで通勤する人が約41万人も減少?

 東京五輪の開催までいよいよあと1年強に迫っています。華やかなスポーツの祭典として期待される一方で、開催国として私たちの仕事や私生活にどのような影響があるのかを憂う声も聞かれます。そのような状況に関連して、政府が「テレワーク・デイズ」という取り組みを行っているのをご存じでしょうか。

 五輪期間中、公共交通機関の混雑緩和という観点から、早朝から午前10時半までの間にテレワークや在宅勤務を積極的に行うことを企業に呼びかけるというイベントです。

 2017年から毎年7月に予行練習のような形で開催され、18年は趣旨に賛同する企業を中心に30万人以上が参加、今年も多くの参加が見込まれています。皆さんのまわりでも、期間中に在宅勤務やリモートワークに挑戦したという方がいるかもしれません。

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 KDDIとコロプラの調査によれば、18年のテレワーク・デイズ開催期間中に会社へ通勤した人が約41万人も減少したという結果がレポートされています。東京ドーム約7個分(※)に収容できるほどの人数が朝の通勤ラッシュから消えたということは、非常にインパクトがありました。※収容人数5万5000人(野球の場合は約4万6000人)

 他にも会社への通勤時間が無くなることで、「時間を有意義に使えた」「残業・紙の使用量、会議室の利用率が減少した」といった声も寄せられたそうです。

 テレワークの取り組みは五輪だけではなく自然災害時にも非常に効果的です。最近は台風接近時に公共交通機関が運行を中止することが増えています。そういった時は無理して出勤せず、家でテレワークをしたほうが仕事もはかどります。会社としても事業継続性の観点からメリットが大きいといえるでしょう。

 実際に会社以外の場所で仕事をするには、PC、タブレット、スマートフォンを使い、メールなどのやりとりに加えて「Zoom」や「Skype」のようなビデオ通話ツールや、「Slack」や「Teams」のようなビジネスコラボレーションツールを使って社員同士が密に連携しながら働くのが一般的です。

 「顔を合わせないと、仕事に必要なコミュニケーションが取れない」──そんな風に思われる方もいるかもしれませんが、「LINE」や「Facebook Messenger」などでプライベートでも多くの人がチャットに慣れた現代では、そこに大きな弊害は無いようです。

 逆にこれまで通り、オフィスに人が集まっている状況は悪いことではありません。直接顔を合わせてスピーディーな意思伝達が行えるでしょう。しかし、人に声をかけることで「相手の集中を途切れさせてしまう」という懸念もあります。

 人間がいったん途切れた集中力を取り戻すには時間がかかるといわれています。職種によってはチャットベースのコミュニケーションを中心としたほうが、相手に返事をしてもらう時間を選んでもらえるので、集中力を途切れさせることなく働けるともいえるでしょう。ツールを使いこなせれば、同時に複数の人と別々の話題をやりとりしながら仕事を進めていくことも比較的容易にできます。

 実際に外資系企業で働く私の場合は相手が米国やシンガポール、中国、インドとさまざまな地域にいますので、ほとんどの場合、メールやチャット、ビデオ通話でのやりとりになります。会って話をするのは年に数回あるかどうかですが、ちゃんと仕事ができています。

 さて、ツールを使いこなせれば便利なリモートワークですが、そこに業務を遂行する上で死角は無いのでしょうか?

リモートワークのデメリットとは?

 現代ならではの働き方に欠かせないリモートワークや在宅勤務ですが、これらを実現するには電話会議やビデオ会議といったコミュニケーション手段の準備は欠かせません。実際に使っている方も多いと思いますが、これらには“お作法”が存在しています。

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