広告プラットフォーム事業を展開するログリーはこのほど、ネット広告配信時にCookieを使わずにユーザー属性を推定する技術を確立し、特許を取得したと発表した。Webページのアクセス情報から、ユーザーの性別・年齢や興味・関心などを推定する技術で、推定結果を広告配信に適用するシミュレーションを行った結果、広告効果を高められることが分かったとしている。
ネットメディアなどの運営事業者は、アクセスしてきたユーザーの属性を推定し、広告表示などに生かしている。ユーザー属性を推定するには、Cookieを利用することが一般的だったが、EU圏でGDPR(EU一般データ保護規則)が制定され、iOSの標準ブラウザ・SafariにはCookieによるトラッキングを禁止する機能が搭載されるなど、ユーザーのプライバシー保護のためCookieを制限する動きが加速。同社の調査では、iOSのバージョンアップ以降、Cookieによるトラッキング捕捉数が約25%減少していたという。
このため同社は、Cookieを利用しないユーザートラッキングの手法の開発に着手。ユーザーがWebページにアクセスした際に取得できるURL、日時、端末情報などのアクセスログをパターン化し、機械学習を使って高速にユーザー属性を推定できるようになったという。アクセス情報はページの言語に依存しないため、日本語以外のWebページにも適用できるとしている。
属性の推定結果を広告配信に適用するシミュレーションを行った結果、アルゴリズムが適用可能と判断した広告の約90%で広告のクリック率などが改善したという。
同社は、同技術を用いた広告配信の準備を今年9月までに整え、同社のネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」に搭載するほか、グローバル展開も視野に入れ、各パートナー企業との連携も模索するとしている。
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