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» 2019年05月24日 17時25分 公開

「Huawei独自OS」は非現実的か “オープン”なOSと“クローズ”なアプリの関係(2/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]

 一方で筆者は、独自OSの開発は技術的には十分可能だとみている。理由の一つが、「AOSP」(Android Open Source Project)の存在だ。AndroidはGoogleのOSと称されることがあり、これは間違いではないが、同時に「オープン」なOSでもある。

誰でも使える「AOSP」とGoogleの許可が必要な「GMS」

 AOSPはGoogleが主導するプロジェクトではあるものの、WebサイトにOSの情報やソースコードを全て公開しており、各メーカーは自由にこれを利用・改変できる。一方、Android内でGoogleのサービスを利用しようとすると、別途Googleが課す「GMS」(Google Mobile Service)認証を取得しなければならない。

オープンソースの「AOSP」は、各メーカーが自由に利用・改変できる

 現状、各メーカーが開発する“Androidスマートフォン”は、このGMS認証を取得したものになる。また、Androidという名称やロゴもGoogleの商標になるため、GMS認証がないOSは、Androidと名乗れないといわれる。例えば、大手キャリアが販売するフィーチャーフォン型の端末は、ソフトウェアの深い階層を見るとほぼAndroidと同じだが、正式にはAndroidとは名乗っていない。カタログやスペック表で、「Linuxベースの独自OS」などとお茶を濁しているのはそのためだ。他にも、メジャーなAOSPベースの独自OSには、Amazonの「Fire OS」などがある。

GoogleのアプリやAPIを利用するには、GMS認証を取得する必要がある

 AOSPを使えば、Huaweiも米Googleのサポートを受けず、独自OSを比較的容易に開発できるだろう。事実、中国では政府の規制もあり、Android端末には米Googleのサービスは一切搭載されておらず、BaiduやWeiboなどに置き換えられたバージョンの端末が販売されている。

 Huaweiのようなグローバルに事業を展開するメーカーは、自国以外での展開も考慮しGMS認証を取得しているものの、中国国内のみで展開するのであればそれも不要だ。この中国版OSを強化し、グローバル市場に投入する可能性は十分考えられる。

中国版のHuawei端末には、Google関連アプリは一切搭載されていない。写真はhonorブランドの「honor Play」

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