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商品パッケージの校正、AIで省力化 「作業の負担7割減」へ DNP、飲料メーカーなどと検証

» 2019年05月29日 10時45分 公開
[ITmedia]

 大日本印刷(DNP)は、商品パッケージ制作時に、必要な表示が正しく記載されているかなどを確認する校正・校閲作業を、人工知能(AI)を活用して省力化する取り組みを強化する。各メーカーが製造するさまざまな形状のパッケージの文字を認識し、パッケージ原稿との差異をAIで抽出。差異があったところだけを人間がチェックすることで、校閲・校正作業負担の7割削減を目指す。

画像 ニュースリリースより

 企業が商品パッケージを制作する際は、関連法令や業界内のルールに加え、ロゴやマークなど企業独自のルールにも準拠する必要があり、社内の多くの部門の人員が横断的に校正・校閲作業を行っているという。省力化するにも、印刷物にはさまざまなデザインや文字が使われているため、自動認識が困難で、機械化・自動化が進まなかったという。

 今回、業界のルールをデータベース化した上で、各企業の独自ルールを組み込むことで、企業ごとに最適化した校正・校閲が行えるSaaS型サービスを開発する計画。アサヒビールや小林製薬、日清食品ホールディングス、バンダイ、明治など13社と合同で検証を進める。

 各社との検証は、パッケージの文字認識精度を高めることが目的。各企業が制作している多様なパッケージの形状やデザインを分析した上で、Excelなどにまとめられたパッケージの原稿の情報と、商品パッケージデザインのPDFデータから文字・画像認識した情報をAIが照合し、差異を抽出してそこだけを人がチェックする。

 検証結果を基に、商品パッケージ向け校正・校閲サービスの開発を進め、2020年春の実用化を目指す。現在の校正・校閲作業の7割程度の負荷削減を目標にしているという。

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 DNPは、業界や企業独自のルールなどをAIで学習し、ポスターやPOP、保険募集資料、契約書などがルールに違反していないかや、誤字や不適切な表現がないかをチェックする「広告物向け校正・校閲サービス」の開発も計画しているという。

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