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» 2019年06月06日 07時00分 公開

架空世界で「認証」を知る:映画「キングスマン」にみる現代的スパイと認証のたしなみ (1/3)

小説、漫画、アニメ、映画などの架空世界に登場する「認証的なモノ」を取り上げて解説する連載をITmediaで出張掲載。第16回のテーマは「スパイ映画と認証」について。

[朽木海,ITmedia]

この記事は認証セキュリティ情報サイト「せぐなべ」に掲載された「架空世界 認証セキュリティセミナー 第17回『現代的スパイと認証の嗜み【キングスマン】」(2018年3月8日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。当時未発売だった製品やサービスの記述などは、本記事掲載時の状況に合わせて編集しています。

「007」を強烈に意識したブッ飛びスパイ映画

 ……それでは講義を始める。

 前回は「カードキャプターさくら」などを題材に、魔法少女と認証をこじつけ……いや、解明する試みを行った。いかがだっただろうか。

 一概に魔法少女といっても、夢と希望で魔法を使うものから、理屈とロジックで戦う少女までいることが分かったと思う。諸君らの好きな魔法少女がどのような認証を使っているのか、あるいは認証などぶっ飛ばしているのかを報告してくれるとうれしい。

 さて、今回はあの大ヒットスパイ映画を題材に、認証ネタを探っていきたい。また、認証だけでなく、現代ならではのギミックについてもちょっと触れられれば良いかなと思っている。題材となるのは映画「キングスマン」だ。

「マナーが紳士を作るんだ」

 まずは基本データから紹介しよう。原作は2012年に連載が始まったマーク・ミラーとデイヴ・ギボンズによるアメリカンコミック「キングスマン:ザ・シークレット・サービス」。2014年にマシュー・ヴォーン監督が映画化した。

 英国での公開は2015年1月で、日本では約半年遅れで劇場公開された。アメコミ原作ではあるものの、舞台はイギリスのスパイ組織であり、登場するのもほとんどがイギリス人である。

 あらすじを紹介しよう。ロンドンのサヴィル・ロウにある高級紳士服店「キングスマン」。しかしそれは仮の姿で、本当はどこの国にも所属せず、難事件やテロリズムを解決するスパイ組織「キングスマン」の拠点であった。

 一方、幼い時に父を亡くし、貧困地区で母の恋人の暴力に苦しめられる青年・エグジー。クルマの窃盗で警察に捕まった彼は、亡き父から「困った時に電話しろ」という言葉とともに渡されたペンダントのことを思い出し、そこに書かれた電話番号に電話をかける。

 すると彼はあっという間に釈放され、ハリーと名乗る男に引き取られる。ハリーいわく、彼の父は「キングスマン」の一員で、任務中に事故で亡くなったというのだ。

 「人間の一生は生まれや家柄によるものではない。努力によって培われる」というハリーの言葉に励まされたエグジーは、キングスマンの新人候補として訓練に参加することになったのだが……。

 サヴィル・ロウは「背広」の語源になったといわれる場所で(諸説あり)、古くからの英国・ロンドンの象徴ともいえる街だ。そんな上流社会へ突然送り込まれたエグジーが、スパイとしてどのような活躍を見せるのか?

 Blu-ray Discや各種動画サービスでぜひご覧いただきたい。この後はキングスマンのネタバレが含まれる。未見の方はご注意あれ!

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