米Amazon.comが昨年、検索アルゴリズムを変更し、顧客のための関連性よりも自社の収益性を優先したと、米Wall Street Journalが9月16日(現地時間)、Amazonの従業員を含む複数の情報筋の話として報じた。Amazonは複数の米メディアに対し、「Wall Street Jouralは間違っている」という声明文を送っている。
Wall Street Journalによると、Amazonの子会社で検索アルゴリズムを開発するA9(algorithmという9文字に由来する社名)の従業員らが反対したにもかかわらず、小売り部門の要請でこのプロジェクトが促進された。
この変更は、単純にAmazonレーベルの製品が上位に表示されるようにするのではなく、Amazonにとっての収益にメリットのあるサードパーティ製品のランクを上げる、間接的なものという。アルゴリズム変更プロジェクトに参加したエンジニアはWall Street Journalに対し、アルゴリズムに新たに収益性を改善するための指標を追加させられたと語った。
Amazonは米Ars Technicaなどに対し、「Wall Street Journalは間違っている。(中略)検索結果に収益性を含めるために基準を変更してはいない。自社ブランドかサードパーティ製品かに関係なく、顧客が望む製品を提供している。どんなオンラインショップでも同じだが、我々はサイトに掲載する製品の収益性を考慮はするが、それは指標の1つにすぎず、表示するための主要な要素ではない」という声明文を送った。
Amazonに対しては7月、欧州委員会が独禁法に基づく正式調査の開始を発表した。Amazonが競合する中小企業のデータを自社を優位にするために利用している疑いによるもの。米司法省も7月に、“市場をリードするオンラインプラットフォーム”を独禁法違反の疑いで調査すると発表した。具体的な企業名は挙げていないが、AmazonやGoogleが対象とみられている。
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