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暗い場所でもはっきり見える! ラズパイ純正の赤外線カメラを接続する名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第9回)(1/3 ページ)

» 2019年11月01日 07時00分 公開
[岩泉茂ITmedia]

 小さなマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」(以下、ラズパイ)を使って、いろんなものを作ってみる本連載。前回は、動体検知にも対応する監視カメラの作り方をご紹介しました。今回は発展系として赤外線カメラを接続したいと思います。

 ラズパイに接続できる赤外線カメラは、「Raspberry Pi NoIR 赤外線 カメラ モジュール V2」(以下、PiNoiR)として公式部品が販売されています。PiNoiRはカメラモジュールなので、リボンケーブルでラズパイと簡単に接続できます。

photo 赤外線での撮影ができる「PiNoiR」

赤外線カメラによる静止画撮影

 早速ですがPiNoiRを使って撮影してみましょう。PiNoiRはRaspberry Pi Zero Wにつなげて使います。Raspberry Pi Zero Wの設定などについては第8回を参照してください。

 PiNoiRのカメラ性能は以下の通りです。

センサー ソニー製IMX219PQ
静止画像解像度 3280×2464ピクセル、800万画素固定フォーカス
フレームレート 1080p/30fps、720p/60fps、VGA(640×480p)/90fps
サイズ 23.86×25×9mm

 性能自体は以前紹介したカメラモジュールと変わりません。PiNoiRは普通のカメラとしても使えますが、やはり暗い場所での撮影で威力を発揮するものです。撮影したい場所にラズパイを設置したら、motionで動画撮影を試す前に、まずは第7回で紹介した「raspistill」コマンドで撮影してみましょう。今回は筆者の家のベランダに置いてあるクレマチスという花を撮影してみました。

 続いて以下のコマンドを入力します。なおラズパイゼロの撮影用ケースは、ラズパイのマークが正面から見える位置で設置すると、正立して撮影できるようになっています。今回は横に倒して撮影するので、「-rot 270」をコマンドに含めて、画像を回転させています。

$ raspistill -o test.jpg -rot 270

 さて、どうでしょうか。撮影できているようですが、ほとんど真っ暗で何も見えないですね。夜の暗い屋外で撮影しているのだから、当たり前ではあるのですが……。そこで赤外線LEDを新たに用意して、撮影対象に当ててみることにします。

photo 赤外線での撮影ができる「PiNoiR」。撮影はできたが撮影対象がはっきりと見えない

 赤外線LEDは秋月電子通商で「光センサー付赤外線LEDリングライト」(以下、リングライト)が販売されています。円形の基盤の外側に沿ってLEDを配置され、ドーナツのように真ん中が空洞になっているので、カメラがうまく取り付けられそうです。リングライトは外周に配置されている製品と、2重に配置されている製品があります。光量が異なるだけなので。どちらを選んでも構いません。

 リングライトは12Vで動くので、単三形乾電池を8本取り付けられる乾電池ケースを使って電源を供給します。リングライトには2ピンのコネクターが付いていますが、私ははんだゴテで取り外し、スナップ付きのリード線を代わりにはんだ付けして使うことにしました。リングライトとラズパイゼロのケースは両面テープで止めています。

photo リングライトと乾電池ケース、スナップ付きリード線
photo 赤枠にあるコネクタを外す
photo 外したらスナップ付きのリード線をはんだ付けする
photo リングライトを両面テープで固定する

 ではraspistillで再び撮影をしてみます。しかし今度は逆に真っ白(真むらさき?)な画像になってしまいました。これはリングライトの光が直接PiNoiRに入ってしまっているためです。これを防ぐために、原始的な手法ですがリングライトの内周を黒いテープでマスキングしました。

photo 白飛びしてしまってなんだか分からない画像に
photo リングライトの内側をマスキングテープで覆う
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