JR東日本が、山手線の車内でトレーニングができるiOSアプリ「‘TRAIN’ing」(トレイニング)を公開し、「シュールだ」「混雑でできないのでは?」とネットで”ツッコミ”を受けている。つり革につかまったまま肩を上げて肩回りを鍛える、手すりをつかんだままスクワットをする――など、そのメニューは独特だ。本当に山手線の車内で筋トレができるのか。できたとしても、恥ずかしくないのか。運動不足に悩む記者が試してみた。
30代の記者は社会人になってからの運動不足がたたり、スポーツジムで「筋肉量が無さすぎる」と言われたことがある。以来、週1〜2回ジムへゆるく通っているが、ハードなトレーニングはしていない。
12月某日、渋谷から神田までの約30分区間でトレーニングをしてみることに。駅のホームでアプリを起動し、音声ガイドを聴くためのイヤフォンを装着。これで準備万端だ。
アプリは筋トレだけでなく精神状態を整えるメニューも用意している。まずはトレーニングの種類を選択する所から。「鍛える」か「整える」かを選んだ上で、「フィジカル」(肉体面)か「メンタル」(精神面)かを選ぶ。記者はがっつり筋トレをしたかったので、「鍛える」と「フィジカル」を選んだ。
‘TRAIN’ingの対象車両はE235系のみのため、電車の到着を待つ。程なくして電車が来たが、座席は埋まっており、立っている乗客もまばらにいる。
乗車後は、トレーニングを行う場所を選択する。手すり・つり革・座席の3種類から、つり革を選んだ。「新体操の技のようなメニューが出てきたらどうしよう」と不安がよぎりつつ、発車とほぼ同時に「あなたの‘TRAIN’ing Programを選択しました」と音声が流れ、トレーニングがスタートした。
最初は、肩回りを鍛える「ストラップアップ」だ。両手でつり革をつかみ、両肩をすくめるように上下する。これなら動きが少ないので周囲に迷惑がかからず、周りの視線も気にならない。
五反田からは気分を変えて、空いている手すりへ移動。出てきたメニューは、膝をゆるめた状態から内側にかけて力を入れる「ポールクローズスクワット」。普段意識することのない部分へ意識を集中させる。
当初の不安はどこへやら、どれも周囲に迷惑になることや、恥ずかさを感じることも無くできる。1駅ごとトレーニングをやりきるたびに、達成感も味わえる。「これなら楽勝」と余裕すら感じたところで、事件は起きた。
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