チェコのウイルス対策アプリメーカーAvast Softwareがセキュリティアプリをインストールしたユーザーのアクティビティデータを収集し、それをパッケージ化して子会社であるマーケティング解析企業Jumpshotを介して企業に販売していると、米メディアのMotherboardとPCMagが1月27日(現地時間)、Avastの内部文書や顧客企業への調査に基づいて報じた。
Avastのセキュリティアプリは無料のものもあり、日本でも多数のユーザーがインストールしている。Avastによると(リンク先はPDF)、MAU(月間アクティブユーザー数)は4億3500万人以上だ。
Avastは、アプリでのデータ収集はオプトインでユーザーに許可を得ていると説明したが、Motherboardが取材した多数のユーザーは許可した自覚がなく、そのデータが販売されていることも知らないと語った。Avastはデータは匿名化して販売しているとしているが、専門家によるとこのデータから個人を特定するのは簡単だという。
このデータには、Google検索、Googleマップの場所検索、LinkedInページでのアクティビティ、YouTubeの動画のクリック、ポルノサイトでどの動画を見たかなどが含まれる。例えばあるユーザーが何かを購入するまでにクリックしたすべてのURLの履歴をたどることができる。
Motherboardによると、マーケティング企業Omnicom Media Groupは、2019年にJumpshotのデータを207万5000ドル(約2億2700万円)で購入したという。
Motherboardの調べでは、Google、Yelp、Microsoft、McKinsey、Pepsi、Sephora、Home Depot、Conde Nast、IntuitなどがJumpshotの顧客だ。Microsoftは現在はJumpshotを利用していないとコメントし、Googleはコメントのリクエストに応えなかった。
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