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もう逢えないあの人に瞳AFした Reminiの魔法で合焦立ちどまるよふりむくよ(2/3 ページ)

» 2020年02月27日 07時00分 公開
[松尾公也ITmedia]

Reminiを実際に使ってみた

 ではReminiを使ってみよう。今回はiPhone 11でiOS版Reminiアプリを試してみた。フル機能を使いたかったので、最初から月額550円のアプリ内課金を支払った。使うのは「Enhance」というモード。これでEnhanceの機能がアンロックされ、利用枚数に制限がなくなる。

 この他に、「Enhance+」というさらなる課金モードがあるのだが、これは通常のアルゴリズムにもう3種類追加され、それぞれを保存できる。月額課金を支払っているユーザーは5枚まで使えるが、さらに5枚(最初はセールで7枚)使おうとすると、追加で4.99ドル(約550円)を支払う必要がある──という2段階システムとなっている。試してみたが、結果に大きな差は感じられなかった。取りあえずは月額課金だけでよさそうだ。

 どちらも、処理はサーバサイドで行われる。マニュアルによると、AmazonかAlibabaのいずれかで処理しているらしい。

photo 処理を開始すると、そのまま待つか、後でアクセスするかを選択できる

 Enhanceモードが修復してくれるのは、顔の部分だけだ。顔として認識されないと、画像に変化は起きない。顔(首を含む)以外の部位や背景は変わらないようだ。

photo 左が元画像。右がRemini処理済み

 妻が中高校生だったときの写真が十数枚残っているので、かたっぱしからEnhanceしてみた。1976年、妻が中学2年のときの、夏服の頃の旅行写真。電車の中で、級友に撮ってもらったであろう、とてもいい笑顔。元の写真もとてもいいのだが、これをEnhanceすると、不思議な気持ちに襲われる。今そこに彼女がいるようなピントの合い方をしているのだ。

photo 電車の中で。右がRemini修正後

 最近流行の瞳オートフォーカスでもしたかのような合焦っぷりである。目元、瞳のハイライト、口元、歯並び……。どれも本物っぽい。元にした写真では、前歯の左右の違いは区別がつかない程度のはずだが、そこもうまく表現してくれている。この程度の元データがあれば、その再現っぷりは半端ない。

 あと4年経たないと、リアルな彼女とは出会わないのだけど、当時はこうだったんだろうなというのは実感できる。

 大学の卒業旅行のときの、ピントがもっと合っていればな、という写真も合わせてくれる。

photo

 卒業アルバムの粗い画像も、きれいな顔に修正してくれる。こっちをじっと見られている感じすらある。

photo 卒業写真の面影がそのまま再現できているよう

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