　米Facebookは4月6日（現地時間）、新型コロナウイルス感染症が人の移動に与える影響を解析するための人口移動マップ「Disease Prevention Maps」を公開したと発表した。Facebookアカウントで位置情報を有効にしているユーザーから集めた移動履歴を匿名化したビッグデータに基づくツールだ。

　医療関係者などによる感染予測や保護対策に役立てるのが目的。米Googleも、同様のデータを「COVID-19 Community Mobility Reports」として提供している。

　Disease Prevention Mapsには3つのタイプ「Co-location maps」（ある地域の人々が他の地域の人々と接触する可能性を視覚化したもの）、「Movement range trends」（地域レベルで、人々が家に留まっているか、町中の様々な場所を訪問しているかを示すもの）、「social connectedness index」（任意の2人がFacebookで友達になる可能性を示すもの）がある。

Co-location maps

Movement range trends

　Disease Prevention Mapsは、Facebookが匿名化したユーザーデータを災害や疾病対策のために提供する「Data for Good」の取り組みの一環。

Google、新型コロナが人の動きに与える影響を視覚化　「ロケーション履歴」データで
Googleが、新型コロナで人の動きがどう変わったかを視覚化する「COVID-19 Community Mobility Reports」を公開した。位置情報機能「ロケーション履歴」を有効にしているユーザーの匿名化したデータを基にしており、日本を含む130の国と地域の状況を見ることができる。
新型コロナ対策ハッカソン、WHOとMicrosoftやFacebookなどの企業が共催
WHOとFacebookやMicrosoftなどの企業が、新型コロナウイルスによるパンデミックに関連する課題の解決手段を開発するためのハッカソン「COVID-19 Global Hackathon」を共催する。間もなく申し込み受付が始まる。誰でも参加でき、参加者はパートナー企業のリソースを使える。
Facebook、新型コロナによる利用急増に「自宅からの作業ということもあり安定性維持が通常より困難」
新型コロナウイルス対策の「ソーシャルディスタンス」増加で利用者が急増しているFacebookが、この急増は前例のない規模であり、また、ほとんどの従業員がテレワークで作業しているため「安定性維持が通常より困難」と説明した。イタリアでのグループチャット量は前月比1000％増という。
新型コロナ対策でGoogle、Microsoft、Facebook、Twitter、Redditが共同声明
Facebook、Googleとその傘下のYouTube、Microsoftとその傘下のLinkedIn、Reddit、Twitterが、新型コロナウイルス対策で協力していくという共同声明を発表した。誤情報に共同で対処し、正しい関連情報を迅速に提供するために協力する。
Facebook、緊急時の“災害対策マップ”を赤十字やユニセフに提供へ
Facebookは、災害時に赤十字、ユニセフ、WFPなどの救援活動を支援するための“災害対策マップ”の提供を発表した。ユーザーの位置情報や「災害時情報センター」のデータを匿名化して地図上で視覚化することで、こうした組織によるリアルタイムの状況把握を支援する。