「出社の仕方が分かりません」新卒記者が語る“コロナ世代”のホンネ
「出社の仕方が分かりません」──新卒社員にこう言われたとき、あなたはどう返すだろうか。1年前であれば「何をばかな」と鼻で笑われただろうが、ウィズ/アフターコロナ時代の今となってはそういった新卒社員も少なくない。現に新卒の記者である筆者は4月1日の入社式以降、一度たりとも出社したことがない。言うまでもないが、原因はコロナ禍だ。
筆者は2020年4月に編集記者として入社したばかりの新入社員だ。1カ月の研修の後、5月からITmedia NEWS編集部に配属された……のだが、この記事を執筆している6月4日時点まで、1回も出社していない。そのため、冗談抜きで出社の仕方が分からない。どこに入館証をかざせばいいのか、どこに自分の部署のデスクがあるのか……オリエンテーションでは聞いたが、具体的に何をどうすれば出社できるのか、一切分からない。
もちろん、筆者の同期たちも同様だ。そういった“コロナ世代”の新卒社員の中には、自分たちの先行きや現状に強い不安を抱えている人もいる。建前では「お偉方が必死で考えてくれているから大丈夫だろう!」と言うが、ホンネはそうではないのだ。
例えば筆者の場合は「本来受けられるはずだった研修を受けられなかったが、この先大丈夫だろうか」「同期や先輩たちと親交を深める機会を失っているのではないだろうか」──といった不安が極めて強い。Zoomでしか会話したことのない先輩記者が退職すると聞いて、どんな気持ちで送り出せばいいんだと首を傾げたこともある。
実際、4月から新社会人になった友人たちとの会話では、必ず在宅ワークの不安や疑問が話題になっていた。あくまでも筆者の周辺での話ではあるが、「自習ばかりで社会人らしさがない」「この先出社するようになってもやっていけるだろうか」「会社にいる人を覚えられない」といった会話は非常に多かった。
特に営業職の友人や同期は「対面マナーを身につける機会がない」「外回りの経験がつかない」「ヒールを履き続けられる自信がない」などの懸念事項をしきりにぶつけあっていた。営業=外回りというイメージが根強いぶん、他の職種と比べて不安も大きいようだ。
一方で、われわれコロナ世代が全員在宅ワークを嫌っているかというと、実はそうでもない。筆者はむしろ「ずっと在宅がいいな」と思っているし、SNSを見ても「バリバリ出社したい!」と主張している友人は多くない。
つまり、社会人生活の始まりという貴重な時期を在宅ワークという前例のない形で過ごしてしまった分、従来の形に戻る際に適応できるかどうかが不安なのだ。そのため、筆者はできれば在宅ワークが今後のスタンダードになってほしいと考えている。
とはいえ、そんなコロナ世代でもいずれは出社する日が来るだろう。久方ぶりの出社中、Web会議でしか見たことのない新人と出会ったベテラン社会人諸氏は、ぜひその人に優しく接してあげて欲しい。筆者をはじめとした新人は、上長がよく使う顔文字やワークチェアのブランドは知っていても、実際に会ったときの接し方まではよく知らない……かもしれない。
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