日本気象協会は7月7日、首都圏の雨雲の状況をリアルタイムで確認できるスマートフォンアプリ「tenki.jp Tokyo 雨雲レーダー」(iOS/Android)の配信を開始した。最新のマルチパラメータ・フューズドアレイ気象レーダー(MP-PAWR)の観測データを広く一般に提供する初めてのアプリ。情報の更新頻度が高く、ゲリラ豪雨対策に活用できるとしている。
MP-PAWRは、内閣府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の中で研究を進めている最先端の気象レーダー。従来のフェーズドアレイ気象レーダーとマルチパラメータレーダーの機能を合わせ持ち、これまでは5分掛かっていた雨雲の観測が30秒で行えるため、急速に雨雲が発達するゲリラ豪雨の兆候も捉えられるという。
MP-PAWRは現在、NICT(情報通信研究機構)が1機を保有し、埼玉大学(さいたま市桜区)の構内で試験運用している。観測エリアは埼玉大学を中心とする半径60km。アプリで表示できる情報もこの円の範囲に限られる。
アプリではレーダーの情報を1分ごとに更新し、地図か航空写真の上に過去20分間の雨雲の様子と20分先までの予測を重ねて表示する。ゲリラ豪雨の兆候などを通知する機能はない。
7月上旬をめどに、MP-PAWRの特徴である高速3次元観測を生かし、高度500〜1万5500mにある雨雲の断面図を表示する機能を追加する見通し。上空で観測された強い降雨域は数分で地上に到達するため、断面図から数分後のゲリラ豪雨を予測できるとしている。
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