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ゆうちょ銀の相次ぐ不正送金問題 各サービスの被害状況と銀行側の対策まとめ(1/3 ページ)

» 2020年09月24日 20時40分 公開
[谷井将人ITmedia]

 ドコモ口座など複数の決済サービスを通してゆうちょ銀行の口座から不正に預金が引き出された問題で、ゆうちょ銀行の池田憲人社長は9月24日、謝罪した。同社は今後、サイバーセキュリティ体制の総点検や本人確認の厳格化、VISAデビット・プリペイドカード「mijica(ミジカ)」の一時停止などを行う。

photo 左からゆうちょ銀行の田中進代表取締役副社長、池田憲人代表執行役社長(9月24日)

 池田社長が会見で話した、各連携サービスの被害状況と対策を以下にまとめた。記事末には質疑応答の一部抜粋も掲載する。

22日時点での各連携サービスでの被害状況 

「ドコモ口座」などの電子決済サービス

 ドコモ口座など即時振替サービスを活用した決済サービスを悪用して不正に現金が引き出された事件を巡り、ゆうちょ銀行が22日までの時点で確認した被害件数は合計380件で、被害額は合計6000万円。ドコモ口座の他に「PayPay」「LINE Pay」「メルペイ」「Kyash」「PayPal」などでも被害があった。

 18日には計137件、2205万円の被害としていたが、今回の発表で被害件数は380件に増加。このうち約150件は2017年から19年末までに発生しており、被害額は3400万円に上るという。

SBI証券

 16日にはSBI証券が、同社の証券口座から約1億円の資金が不正に引き出されたと発表。犯人は偽造した本人確認書類で作成した不正なゆうちょ口座を使い、不正ログインしたSBI証券の口座からゆうちょ口座へ約9000万円を引き出したという。

mijica

 23日には、ゆうちょ銀行が提供するmijicaを利用した不正送金が約332万円見つかった。犯人はmijica利用者のアカウントに不正ログインし、犯人のmijicaカードへ送金したという。

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