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7つに増えたiPhone、後悔しない選択のポイント 5GよりSoCやメモリに注目(1/2 ページ)

» 2020年10月16日 10時05分 公開
[本田雅一ITmedia]

 今年も新型iPhoneが発表された。5.8インチOLED(有機EL)搭載の「iPhone 12 mini」が追加され、発売から3年目に突入する「iPhone XR」を併売するため、iPhoneのラインアップは今後7機種になる。搭載フラッシュメモリの容量をそろえて価格を比較するとグラフはほぼ一直線。予算に合わせて選べるといえばその通りだが、気をつけたいポイントもいくつかある。

きれいな直線上に並ぶiPhoneの新ラインアップ
主なスペックと価格

 掲載したグラフと一覧表は、現行iPhoneの価格と主要なスペックをまとめたもの。価格を比較しやすくするため、ローエンドモデルの価格を縦棒グラフに、全モデルに共通する128GBフラッシュメモリ搭載機の価格を折れ線グラフにした。

 5Gモデムは「iPhone 12/12 Pro」シリーズのみ。ただし、当面の間、5Gは限られた場所での利用にとどまる見通しなので、年内に購入するなら5G対応は“将来の保険”程度に考えていい。

コンパクトさで選ぶなら

 コンパクトなサイズのiPhoneが欲しいなら、選択肢は2つしかない。「iPhone SE」とiPhone 12 miniは、横幅が近いため握りやすさという意味では確かに近いが、その価格差は3万円。スマホとしては明確に製品のクラスが異なるため、仕様を知れば選びやすい。

iPhone 12 miniは、iPhone SEの4.7インチよりも大きい5.4インチディスプレイを採用しながら、狭額縁化でコンパクトにした

 iPhone 12 miniは、超広角カメラと最新のSoC、5Gモデムの採用が大きなポイント。逆にカメラ性能にあまりこだわらず、「マスク必須の時代だからで指紋認証のTouch IDが欲しい」という人はiPhone SEを選んで間違いない。

 両者のSoCは世代が1つしか違わない上、SEが搭載している「A13 Bionic」は2020年の基準で考えてもトップクラスの性能を持つ。5Gのサービスエリアが広がるにはまだ時間がかかり、SEの4G(LTE)モデムはギガビットクラスの最新サービスにも対応しているから当面は一線級で使える。

 iPhone 12 miniは、最新のカメラ性能とコンパクトなボディの両方がほしい人に向いている。iPhoneのカメラは、演算能力で画質を高めるコンピュテーショナルフォトグラフィーのアプローチにより、最新SoCになるほど画質が高まる。A14 Bionicの世代では、特に動画の画質が向上しており、超広角でのナイトモードも魅力的だ。

価格重視で選ぶなら

 価格重視なら、A13 Bionic搭載のiPhone SEがいい。実際、店頭でもSEが人気だ。量販店以外の販売データは明らかになっていないが、周辺機器メーカーなどに聞くと、ケースや保護ガラスなどの売れ行きは明らかにSEに偏っているという。

 購入しやすい製品であることは間違いないが、一方でSEに次いで安くなった「iPhone XR」に心が揺らいでいる方も多いのではないだろうか。全面スクリーンのiPhoneが6万円を切るのは魅力で、カラーバリエーションの豊富さも、SEに対するプラス要因になる。

カラバリの多い「iPhone XR」

 ただ、前述のようにiPhoneのカメラ性能はSoCの世代でほぼ決まる。特にA13 Bionicでは「Neural Engine」とISPが目覚ましい進化を遂げた。価格も大事だが、カメラ性能と画質も重要と考えるならiPhone SEを選んだ方が良い結果が得られるだろう。ただし評判のナイトモードは、内蔵RAM容量の関係でSEは対応していない。

 筆者なら、予算が限られるならSE、XRの値段に1万円を追加できるならA13 Bionicを搭載した「iPhone 11」を選ぶ。

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