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VOICEROID制作のAHSがCeVIO AI音源発売へ “AIシンガー東北きりたん”製品化

» 2020年10月22日 12時00分 公開
[谷井将人ITmedia]

 音声合成ソフト「VOICEROID」の開発などを手掛けるAHS(東京都台東区)は10月22日、AI技術を活用した歌声合成ソフト「CeVIO AI」用の音源「東北きりたん ソングボイス」を今冬に発売すると発表した。価格や発売日などの詳細は未定。

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 CeVIO AIは音声合成技術の開発を手掛けるテクノスピーチ(名古屋市)が開発した歌声合成ソフト。ディープニューラルネットワーク(DNN)や畳み込みニューラルネットワーク(CNN)といった技術を採用している。人間の歌声を事前に学習したAIが、入力された楽譜データを基に、本人らしい声質や歌い方を自動でシミュレーションして人間らしい歌声を合成する。

 東北きりたんは萌えキャラを運営するSSS(仙台市)が手掛けるキャラクター。同社は2019年11月に、東北きりたんの声を担当する声優・茜屋日海夏さんの音声データなどをまとめた「東北きりたん歌唱データベース(DB)」を研究者向けに無償公開した。東北きりたん ソングボイスは、この歌唱DBを活用して開発した。

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 AHSは、文字を入力するだけでキャラクターの話し声を合成できる音声合成ソフトとしてVOICEROIDを開発し、販売してきた。東北きりたん ソングボイスは歌声のみ合成できるが、CeVIO AIにはVOICEROIDと同様に話し声を合成する機能もある。

 AHSの尾形友秀代表は、競合他社製品ともいえるCeVIO AIの取り扱いを始めた理由として「さまざまな音声合成ソフトが使われるようになり、業界はまだまだ発展する。今は競合というより、みんなでこの業界を広げていくフェーズだと思う」としている。

 東北きりたんについては、2020年2月に無料のAI歌声合成ソフト「NEUTRINO」の音源として類似のソフトウェアが一般ユーザーからすでにリリースされているという背景がある。その中で有料の製品として発売することについては「すでにNEUTRINO用音源として使われているため、逆にAIによる音声合成に慣れた人に使ってもらえるのでは」とし「AIによる音声合成ソフトを使うきっかけになってほしい」と期待を込めた。

NEUTRINOの東北きりたん

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