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JTB、引っ越しせず異動もOK 週3日勤務も 新しいテレワーク制度を導入

» 2020年10月29日 14時21分 公開
[ITmedia]

 JTBは10月28日、転居を伴う異動が発令されても引っ越しをせずにテレワークできる制度などを導入したと発表した。年間勤務日数を短縮できる制度も2021年4月から導入する。対象は社員約1万2000人。

 転勤が必要だった異動が発令されても、生活の拠点として会社に登録している「居住登録地」でのテレワークを認める「ふるさとワーク制度」を新設。これまでは居住登録地以外への異動時は家族そろっての転居や単身赴任が必要だったが、自宅に住み続けて業務を行える。

 ふるさとワークの導入に伴い、テレワークの規則を変更。旅先で働く「ワーケーション」の対象を広げる。これまではハワイと沖縄にあるJTBの事業所でしか認めていなかったが、セキュリティが確保される環境であれば、どこでもワーケーションを認めるという。また通勤定期を廃止し、実費精算に切り替える試みも一部で開始。今後、全社に拡大するか検討する。

 勤務日数も短縮できるようになる。21年4月に始める「勤務日数短縮制度」では、制度の利用を希望する社員が、年間の勤務日数の上限を177日、189日、201日、213日、225日から選択。勤務日数に応じた給与支給となり、週3日勤務も可能となる。例えば、月30万の社員が勤務日数を225日とした場合、月額で3万円程度の減額になるという。希望した勤務日数を基に算出した年俸を分割して支払うため、月によって勤務日数が変動しても月給の変動はない。これまでは介護や育児などで1日当たりの勤務時間を短縮する「時短制度」があったが、適用範囲を拡大した。

photo 勤務日数短縮制度の算出パターン

 JTBは副業のガイドラインもまとめた。これまでに100人以上の社員から副業の申請があり、大学での講演や通訳案内などに従事しているという。18年から副業を一部の社員に認めていたが、ガイドラインの策定で本格的に解禁する。

 同社は6月に全社員を対象に在宅勤務に関するアンケート調査を実施。半数以上の51%が在宅勤務を経験し、このうち73%が「在宅勤務で生産性が高まった、低下しない」と回答。こうした結果を踏まえ、新制度の導入に踏み切ったとしている。新制度のグループ全体への導入についてJTBは「各社が判断する」と話している。

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photo JTBが導入した新制度

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