ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

NTT、ドコモ株の9割取得 12月めどに完全子会社化

» 2020年11月17日 12時00分 公開
[谷井将人ITmedia]

 NTTは11月17日、NTTドコモの完全子会社化に向けた株式の公開買い付け(TOB)を16日に終了したと発表した。同日までにドコモの株式8億1502万株を約3兆円で取得した。

photo 左からNTTの澤田純代表取締役社長、NTTドコモの吉澤和弘代表取締役社長(9月29日)

 今回のTOBでNTTが保有するドコモ株式は全体の91.46%になった。残りの8.44%は株式売渡請求により取得し、12月には完全子会社化できるとしている。

 NTTはドコモを完全子会社とした後に、NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアなどのグループ企業との経営統合も検討しており、移動通信事業や固定通信事業などグループが持つ事業の連携を強め、競争力を強化する。

 今回のTOBを巡っては、KDDIやソフトバンクなど28社が11月に総務大臣に対して意見書を提出。ドコモの子会社化は、公正な競争環境を作るために必要とされた「NTTドコモの完全民営化」や「NTTドコモに対するNTT持株の出資比率の低下」といった措置の趣旨に反すると指摘した。

photo 提出された意見書

 NTTは「われわれとしては子会社化に法的な問題があるとは考えていない。今後議論が進むなら真摯(しんし)に対応する」としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.