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» 2020年09月29日 20時00分 公開

「失われた20年」を巻き返す──ドコモ完全子会社化でNTTが目指すもの (1/3)

日本電信電話(NTT)の澤田純社長は、NTTグループの企業価値がバブル崩壊からの30年間で低迷していると危機感を示す。ドコモの完全子会社化で、国内外に対し再度リーダーシップを発揮したい考えだ。

[井上輝一,ITmedia]

 「『失われた20年』の間に、世界の情勢は大きく変化した」。日本電信電話(NTT)の澤田純社長はNTTドコモの完全子会社化についての記者会見の中で、NTTグループの企業価値がバブル崩壊からの30年間で低迷していることに危機感を示した。ドコモの完全子会社化で、国内外に対し再度リーダーシップを発揮したい考えだ。

「ドコモは3番手に落ちた」

 澤田社長は国内の移動通信事業の情勢について「現にドコモは3番手に落ちている」という認識を示す。顧客数においては依然として大きなシェアを持ちつつも、収益面でKDDIやソフトバンクの後塵(じん)を拝していると見る。

 その理由の一つに、澤田社長はNTT東西に課せられた法律(日本電信電話株式会社等に関する法律、NTT法)などの法制度を挙げる。KDDIやソフトバンクに会社法上の縛りがないのに対し、ドコモやNTTは制約を受けているために動きが鈍かったとしている。

 今回の完全子会社化では、こうした法制度上の問題はないという。「会社の分割はNTT東西を中心とした論であって、ドコモの完全子会社化やNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアのドコモへの移管については(NTT法とは)文脈が異なる。今回の完全子会社化については規制当局や総務省にも説明を行い、法制度上問題はないと認識している」(澤田社長)

 法制度上の縛りの他に、ドコモがNTTの完全子会社でなかったことも、モバイル回線と固定回線を融合したサービス提供の遅れにつながっていたという。NTTとドコモでは互いに株主が異なり、サービスによっては利益相反も生まれるため、連携して動くには多くの会議体を設け、時間をかけて議論しなければならなかったとしている。

 澤田社長は、完全子会社化によってこれまでと最も変わるのが「ガバナンスのスピード」だと話す。意思決定を高速化することで、NTTグループを横断したサービスやソリューションを強化したい考えだ。

NTT澤田純社長

「GAFA」のビジネス領域も視野 「単に5G提供するだけではだめ」

 NTTは足元では、固定回線とモバイル回線の融合によって国内シェアや収益の巻き返しをもくろむが、意識としてはネットワーク上で各種サービスを展開する「GAFA」(米Google、米Amazon、米Facebook、米Apple)のビジネス領域にも目を向ける。

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