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マスク着けたまま顔認証、マスクなしと同等の精度99%を実現 富士通がレジなし店舗に導入

» 2021年01月21日 11時31分 公開
[ITmedia]

 富士通研究所は1月21日、マスクを着けていても、着けていない時と同等の精度で顔認証できる技術と、手のひらをかざすだけで本人を特定する静脈認証技術を組み合わせ、非接触で本人を特定できる新たな認証技術を開発したと発表した。

 生体認証で入場・決済できる店舗に導入すれば、マスクを外さずスムーズに入店・決済できるとしており、ローソンと共同で取り組んでいるレジなし店舗(富士通新川崎テクノロジースクエア内)のシステムに適用し、21日から実証実験を始める。21年度中の実用化を目指すという。

 一般的な顔認証技術では、マスク着用時は目の領域だけを使って認証するが、顔全体の特徴量が抽出できないため、情報量が低下して本人が認識できないケースがあった。

 新技術では、マスクを着けていない顔画像から特徴点を検出し、顔の姿勢を推定。その結果に基づいて、“疑似マスク”を重ねた画像を生成・学習させる。疑似マスクは、流通しているさまざまな色や柄、形のマスクを再現した。この技術により、マスクを着けていても着けていない時と同等の精度(99%)で絞り込めるという。

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 手のひら静脈認証装置には、初心者でも適切な位置に手をかざせるよう、光でガイドする機能を設けた。センサーの周囲に手のひらの形をしたライトを設け、手のひらをかざす高さがちょうど良ければグリーンのライトを、近すぎるなら赤のライトを点灯させる。

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