Innovative Tech
転んでも段差を踏み外しても颯爽と立ち上がる、4足歩行ロボット 深層学習で運動スキル習得
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
英エディンバラ大学と中国・浙江大学の研究チームが開発した「Multi-expert learning of adaptive legged locomotion」は、転倒や段差の踏み外しといった不測の事態で姿勢が崩れても、瞬時に対応して姿勢を戻す4足歩行ロボットを作り出す機械学習フレームワークだ。砂利や小石が並ぶ地上でもバランスを取り安定して歩行できる。
日進月歩で進化している4足歩行ロボットだが、予期せぬ状況に対処するための適応行動を自律的に生成する能力は難しく、どの研究チームも四苦八苦している。予期せぬ状況とは、床が滑りやすい、段差、小石や砂利が散りばめられた不安定な地面、横から棒で押されるなどが当てはまる。今回は複数の専門的な運動スキルを一つ一つ学び、それらを統合し適材適所の複合スキルを生み出すアプローチでこの課題に取り組んだ。
8つの専門的な運動スキルに応じた複数の深層学習ネットワークと、それらを統合する階層型強化学習「Multi-Expert Learning Architecture」(MELA)をモデルとして提案する。学習は、異なるタスクを達成する一連の運動スキルの訓練と、各スキルのパラメーターを統合しまとめて訓練する2段階で構成される。
訓練したモデルは、環境に適した複合スキルを生成し出力する。ロボットの姿勢が変化するたびに混合し直し、その瞬間に合った適切なスキルをリアルタイムで生成し続ける。
モデルの性能を評価するため、屋内外でテストした。外部からの衝突、段差からの落下、荒れた地形環境での歩行などを検証し、どれも良好な結果を示したという。転んでも姿勢を崩しても俊敏に回復し、小石が散乱する地形でも問題なく歩行。動画では、4足歩行ロボットが棒や足で押され転んでも滑らかに立ち上がり颯爽と回復する様子を確認できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
日本人の大腸がん、約半数に“腸内細菌の毒素”が関与 40歳以下の発症は7割 東大・阪大が200人を全ゲノム解析
-
2
「コミューン」不正アクセスでLINEヤフー、Sansan、パナソニックでも会員情報漏えいの可能性
-
3
「お前たちのクラウドはわれわれのもの」 IDCFクラウドの管理画面に出た攻撃者のメッセージ 内容に運営元は
-
4
履歴書100通に1通「AIだけが読める文字」 20万件調査でわかった“就活ハック”の手口 米研究
-
5
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
6
山中で遭難の16歳少年、登山計画に生成AI「Claude」利用 救助隊は「ルートの妄信」警鐘
-
7
JR東日本、「えきねっと」「ビューカード」などで漏えいか メルアドなど最大609万件 IDCFへの不正アクセスで【追記あり】
-
8
SBI証券、Google・Appleパスキー乗っ取り被害「確認されていない」 注意喚起は他社事案
-
9
OpenAI、安全性研究者3人を解雇 本人らは「安全性を優先したため」と主張、同社は「機密情報の扱いに関する規定違反」と説明
-
10
ChatGPT、無料版を含む全ユーザーに「GPT-6」 回答内に“操作できる画面”を生成する「Intelligent UI」搭載
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR