東映アニメーションは3月12日、AIベンチャーのPreferred Networks(以下、PFN)のAI技術を活用してアニメ制作を効率化する実験を行ったと発表した。背景写真をアニメ調やサイバーパンク調に自動変換することで、美術クリエイターが画像の前処理にかける時間を従来の約6分の1に短縮できた。
長崎県佐世保市を舞台にした実験作「URVAN」(ウルヴァン)の制作に、画像処理AIを搭載したPFNの背景美術制作支援ツール「Scenify」(シーニファイ)を活用。佐世保市で撮影した風景写真をアニメ用の背景美術に自動変換し、美術クリエイターの負担を削減した。
背景美術の制作工程は、写真の配置、色調補正、アニメ調に変換、微調整、サイバーパンク調に加工の5段階。Scenifyはアニメ調に変換するとともに、キャラクターの前面に来るパーツと背面パーツに分ける作業や、空白部分を自然に塗りつぶす作業などを担当した。
Scenifyで作業を効率化できた分、クリエイターは作画の自由度や振れ幅が大きいサイバーパンク調の背景制作に、より多くの時間を充てられるようになったという。
東映は今後、TVアニメーションやアニメ映画の制作でのScenifyの活用を目指し、PFNと技術開発を進めるとしている。
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