新型コロナウイルスの感染拡大を機に、ITmedia NEWS編集部が原則在宅勤務の態勢に移行して1年たった。当初は「テレワークつらい、出社したい」なんて言っていた記者だが、社内制度の改定でオフィスへの出社が義務ではなくなったため、東京都から埼玉県に“テレワーク移住”した。今回は、部屋探しをレポートする。
感染拡大が長引く中で、記者発表会やインタビューもほぼ全てオンラインでの実施に移行。アイティメディアもこのタイミングで働く場所を従業員が選択できる「スマートワーク制度」を導入した。感染収束後も原則として在宅勤務となることから、21年2月にはオフィスの床面積も削減し、記者が通っていた席は跡形もなく消え去った。
記者は「もう出社しないし、移住してみるか。記事のネタにもなるし」と軽い思いで、埼玉県春日部市に引っ越した。テレワーク移住とは、そのまま、テレワークの導入をきっかけに地方に移り住むことだ。記者も以前は「地方移住なら車は必須?」「近くに店が十分ある?」「急に会社に呼び出されても大丈夫?」「インターネットは快適?」など、多くの疑問と不安があったが、今のところ大満足だ。
まずは部屋探しだ。今回、記者が考えた条件は「今より広い」「今より家賃が安い」「一日中、オンライン会議や取材でうるさくするので鉄筋コンクリート造がいい」の3点だ。結果、以下のような部屋を見つけた。
個人的には大満足だ。本当は1LDKくらいが希望だったが、該当する部屋がなく、ファミリー向けの大きい部屋になった。同僚や親からは「いつの間にか結婚した?」「隠し子1人いるでしょ」などの感想をいただいた。付き合っている人すらいない。
家賃が低いのは、立地と築年数、最寄り駅までの距離が要因だろう。所々に古さはにじみ出るが、気になるほどではない。ハザードマップを見ても問題はなさそうだった。ポイントは最寄り駅だ。
記者の場合、ウィズコロナになって一番利用が減った施設が駅だ。それまでは出社のため週5日以上電車に乗っていたが、今は感染症対策でオンラインでの取材が求められることがほとんど。電車には月1回も乗っていない。駅に行かないなら距離を考える必要は無い。
ただ、在宅勤務が前提なら絶対に駅から遠くてもいいというわけではない。会社によって「週3日は出社」「原則在宅勤務」「絶対に出社することはない」など、一口にテレワークと言ってもかなりの差がある。週3日も20分歩いて(もしくは車で)駅に行くのは面倒なので、そういう人はこれまで通り駅に近い部屋を選ぶのがいいだろう。
「急な用事でオフィスや仕事現場に行かないといけなくなることを考えると、あまりアクセスが悪いのは問題だろう」とも思ったが、ここ1年で急な用事はなかったため、多少は遠くても大丈夫かと思い、駅から遠い部屋に住む決心をした。
これについては多少後悔している。以前1度だけ緊急の記者会見で東京都内の現場に行くことになった。できる仕事の量に対して移動時間がかかりすぎる。忘れ物を取りに戻る時間がないため、少しの失敗が命取りになる。急な出社はまずないため、困ることはせいぜい年1回ペースでしか起きないのが救いだ。
後編:出社しないつもりで“テレワーク移住”した記者、突然の現地取材と出社を経験
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