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創業2年半でユーザー数3000人超 ノーコード×AI開発の「MatrixFlow」が考える“真のAI民主化”とはマスクド・アナライズの新弟子入門!(2/3 ページ)

» 2021年04月05日 07時00分 公開

問題解決のツールが完璧なら勉強は不要

マスクド データ分析の定番ツールとしては、Excelがあります。現場の方が使いやすいツールとして既に普及していますが、この「Excelの壁」をどう崩していきますか?

田本さん 単純にExcelをMatrixFlowで置き換えるべきとは考えていません。少量のデータ分析ならExcelが最適ですし、Excelを補完するのはデータ可視化などに強いBI(ビジネスインテリジェンス)ツールでしょう。その先にMatrixFlowがあるので、目的に合わせて適材適所で運用すべきです。

 それよりも、ユーザーが課題を解決するためのツールにリテラシーが求められることが問題です。私はリテラシー習得のために人間が勉強するのではなく、ツール側が解決すべきだと考えています。

 例えば英語をリアルタイムで完璧に自動翻訳できれば英語を勉強する必要がないように、ツールが発達すれば極端な話、勉強する時間は無駄になると言ってもいいでしょう。

 MatrixFlowはまだソリューションとして未完成な部分もありますが、将来的にはExcelが使えればMatrixFlowも簡単に使いこなせるようにしたいです。

データサイエンティスト不要論

マスクド ツールを普及させるには営業やサポートなどの社内体制の強化も必要になります。企業がMatrixFlowで解決すべき課題の見極めも重要ではないですか?

田本さん 起業前はうまく経営できるか不安もあり、エンジニア出身なのでエンジニアリングをやりたい気持ちもありました。しかし経営者としての2年半を過ごす中で、組織作りの醍醐味も感じています。

 組織体制や経営はシステムインテグレーションと似ており、人材や役割をコンポーネントのようにつないで機能させる面白さがあります。

 そして、どんな課題も全てAIで解決することはできません。例えば社内システムなら付き合いのあるSIerに相談したり、経営判断や業務フローの改善なら戦略コンサルタントに依頼したりするでしょう。

 仮にユーザーがAI開発やデータ分析で不便を感じたら、身近なSIerやコンサルタントに相談してAIをどこで使うべきかを判断しながら、MatrixFlowを選んでほしいですね。

マスクド 業務に関わる方がAIを使いこなすという意味では、以前に「データサイエンティストを全員失業させる」との発言もありましたが。

田本さん 「データサイエンティスト不要論」は今でも変わりませんし、ビジネスや業務に詳しい人がAI開発やデータ分析を行うべきです。

 正確に言えば、データサイティストが失業するというより、分析だけを行う役割からコンサルタントや研究者などの立場になるべきという考えです。現場に携わってこなかったデータサイエンティストでは、現場が長年積み重ねた業務やデータが持つ意味について十分に理解するのは難しいです。現場やデータを理解した人がAIを開発できる仕組みが理想ですね。

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