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血流の動きをアバターの顔に反映したら、より人間的になった Microsoftなどが技術開発Innovative Tech(1/2 ページ)

» 2021年10月15日 08時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 米Microsoft Researchと米ライス大学による研究チームが開発した「Warm Bodies」は、人の血流の強度や色、動きなどをアニメーション化してアバターの顔に付加するシステムだ。

photo 生理学的なデータに基づいて作成した血流アニメーションをアバターの外観に付加して、より写実的な顔を再現する

 3DCGの進化により、写実的なアバターを作成できるようになってきた。髪の毛や皮膚の繊細な再現、シワや呼吸の動きなど人間を模倣した追求が日進月歩で進んでいる。今回は、血流の変化によって生じる顔面のシグナルを再現するアプローチを取る。これまでの細部にこだわる表現よりも変化する見た目は派手ではなく知覚するのも困難だが、リアリティーの高い効果が得られると研究チームは述べている。

 今回のアプローチは、生理学的な血流モデルに基づいてアバター上のピクセルを操作する方法で血流をシミュレートする。(1)画像やビデオフレームから得られる人の顔の血流の強度に基づく空間的マッピング、(2)ヘモグロビンの量に基づく色の変化、(3)脈拍の時間的ダイナミクス、これら3つを処理し再現する。

 実験では、複数人の静止画像に対して血流アニメーションを付加したコンテンツを参加者に見せ、アンケートで評価してもらった。その結果、血流アニメーションが付加されたコンテンツの方が、血流アニメーションがないコンテンツよりも生き生きとした人間に見えるという評価が得られた。アバターに表情などの動きがある映像の場合でも同様の結果が出た。

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