覚醒状況に対する人の予期反応の1つに、心拍数の増加がある。そこで次の実験は、シミュレーションした血流パターンの頻度を高めれば、人は血流がないアバターよりも高い覚醒状態にあると判断するだろうという仮説を立て、血流(心拍数)の周波数を60BPM、90BPM、120BPMに設定した動画を作成し参加者に評価してもらった。
その結果、周波数が高くなるにつれて覚醒度が高いと判断する回答が得られた。この結果は、心拍数の周波数による血流の変化で、見る者に覚醒のレベルを知覚させられることを示している。
今回の血流アニメーションを付加する手法は、効果、知覚レベルともに小さいものだが、今後、写実性のさらなる向上において重要になるだろう。例えば,心拍変動や呼吸、血中酸素飽和度、発汗などの生理的変化をアニメーション化するモデルと今回の血流アニメーションを組み合わせれば、より自然でリアルな表現が可能になるだろう研究チームは述べている。
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