撮影した写真(メモ)やスキャンデータは、DropboxやEvernoteなどのクラウドサービスにアップロードできるが、検索可能なPDFとしてPCや自宅のNASなどローカルストレージにも保存しておける(スキャン時や後処理で検索可能状態にしておく必要がある)。セキュリティに関しては、パスワードで閲覧制限をかけられるサービスや機能を有するアプリを利用するとよい。
スマホやデジカメで撮影した写真やムービーは、iCloudなど自動でクラウド保存される機能を使うことが多いが、契約内容によっては容量制限がある。大量の写真や動画、絶対に失いたくない写真や動画などは、例えば「おもいでばこ」のようなストレージを活用するとよい。おもいでばこは単体では自機内のストレージに写真や動画を保存するが、Googleフォトと連携することで、最大15GBの写真や動画データをクラウド経由で共有できる。日常では、離れた地域に住む家族に写真や動画をシェアしたり、出先でアルバムを見返すなどができるし、災害時におもいでばこそのものが失われてしまったとしても、残したい写真や動画はクラウド上に残っているという状態を作ることができる。
写真やスキャンしたデータなどをクラウドに保存しておくのが良いか、ローカルに保存しておくのが良いか、迷うことがある。可能ならば両方に保存しておくのがベストだが、その書類の性質に応じてクラウドとローカル、もしくは両方を使い分けるのが望ましい。
銀行の通帳や運転免許証などは、スキャンデータがあれば急場をしのげることもあるが、最終的には再発行して手元に取り戻す必要がある。
例えば運転免許証は、可能な範囲で速やかに「紛失届け」し、「再交付手続き」を行いたい。手続きは通常、運転免許センターで行うが、大規模震災の時は臨時窓口が開設されることもあるので、最寄りの警察署に確認してみるといいだろう。
通帳やクレジットカードなどは、焼失なのか紛失なのかにかかわらず、金融機関やカード会社、場合によって警察署などに届けをするのが第一だ。各金融機関では、本人確認ができれば一定限度額までは払い出しに応じている(金額は災害や金融機関により異なる)。
有価証券などは再発行に時間がかかることが多い。まずは警察に届けることになるが、オンライン取引であればそういった心配も少ないだろう。
そういえば、漫画「トニカクカワイイ」には、火事にあった主人公が、「こんなこともあろうかと、家財には火災保険をかけてあり、重要書類はクラウドに保存してあるので心配は要らない」と、奥さんに説明する描写があった。
重要なのは、失われた書類などを手元に取り戻すために、どういった手続きや証明書類が必要なのかを知っておくことだろう。クラウドにバックアップしたデータをローカルに戻す方法なども同様に確認しておきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR