アバターは、VRメタバース内において「自分」という存在を示す役割をもっています。このことを仮想空間内における「自己投射性」と呼びます。操作しているキャラクターやアバターを自分だと受け入れている状態といっていいでしょう。
VRメタバースは3次元空間のリアルさが強調される傾向がありますが、むしろ大事なのは自分や他人の存在をそこで感じられる、社会性の表現です。自己投射性は、VRメタバースを支える大きな要素なのです。
自己投射性を高めるには、それが自分であると思えるように見た目を近づけるのが近道です。そこでMeta Avatars 2.0では自分の体型や顔の造作だけでなく、人種や文化背景に服装やアクセサリーといった要素を、百京(10の18乗)通りで組み合わせられるようになっています。
肌の色1つとっても、ぴたりと合うトーンが存在しないことはメタバース内で特定の地域の人や、特定の人種を無視することにつながりかねませんので、Metaはこの問題に特に力をいれて取り組んできました。
しかしその一方で、Meta Avatars 2.0の持つカートゥーンっぽいタッチは、日本人からみると「バタ臭い」印象が否めません。いくら組み合わせ数が多いといっても、その大半は人種・性別・体型といった基本的なもので、個性を表現しているというよりは、その人の社会的属性を表現する記号となっていて、まだまだ画一的に感じられます。
このことは他のソーシャルVRサービスと比較すると分かりやすくなります。
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