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4万円の自作キーボード1000台が1分で即完売 世界的に注目浴びる日本の開発者ハロー、自作キーボードワールド 第11回(3/5 ページ)

» 2021年12月30日 09時00分 公開
[びあっこITmedia]

 個人的には、自分が欲しいものを設計するっていう方針でやっています。なので、それを欲しいと共感してくれる人が結構いるっていうのが大きいかもしれません。

 初期の頃にはこんな大々的にやることは想定してなかったので、自分が完全に満足できるようなキーボードが現れたら、それを買って終わりにしようと思っていたんですよ。

 それが結局現れなかったから、自分のニーズのためにモノを作り始めたというのがあるんですけれど、「需要があったけど供給がなかった」という場所がたまたま自分の理想とかぶっていたのかもしれないですね。

── 自分が欲しいものをあくまで追い求めていった結果という。

ai03 今でも自分の欲しいもの以外は作らないですからね。よく「こういうの作らないか」っていう提案が届くんですが、作りたくないものは一瞬でお断りしますからね。途中で挫折しますから。

長く使えるものを

── 最初は65%キーボードを作りたいというところから始まったという話もありましたが、現在は分割型や、より小型なものなどさまざまなキーボードを設計されてますよね。「作りたいもの」の変化というのはあるんでしょうか?

ai03 最初はとにかくケチだったんですよ(笑)

 「お金がないから1ドルでも削れるところは削る」みたいなキーボードの作り方をしていたんですが、削りに削りまくったキーボードは結局次のキーボードへの踏み台のような扱いになってしまい、長続きしないことにある程度から気付いてしまって。

 それに気付いた後は「無駄に高価格ではないけれど一生使おうと思ったら簡単に一生使えてしまうようなもの」を作りたいっていう、そういう路線に変化しました。

 実際それに従って交換用プレートの設計ファイルなどは全て公開しています。もしも壊れたら自分で修理できるように、というのは大切にしていますね。

手の届きやすい価格で

── とはいえ、クオリティーを考えると今でもかなりコスパが高くなるような設計をされてるなというのは常々思っています。

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