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「1Byteが8bitに決まったワケ」についての長い話 まずは「バベッジの階差機関」から(4/7 ページ)

» 2022年02月03日 19時00分 公開
[大原雄介ITmedia]

Byte Magazineが創刊された頃

 このあと、Byteという言葉は(それを意味するものはともかく)比較的ごく自然にコンピュータ業界で広まっていったようだ。例えばIntel 4004のマニュアルでも"4-bit byte"(写真5)という言い方がされているし、もうちょっと後の1975年、米国でByte Magazineが創刊されたときのアナウンス(写真6)を見ても、ことさら“Byte”の意味を説明していない辺りは、もうこの時期にはByteという言葉は普通に定着していたものと思われる。

photo 写真5:Intel MCS-4 Micro Computer Set Users ManualのBasic System Operationより抜粋。あえて"4-bit byte"と書いてあるのは、後ろの方でRAMに対する書き出しの表現に"When more than one page of RAM(256 bytes)is being written"などと、1Bytes=8bitがデフォルトになっているためと思われる。
photo 写真6:Internet Archive所蔵の73 Magazine 1975年8月号より。Byte Magazineの母体はアマチュア無線向けの73 Magazineであった。73はCW無線のPhillips Codeに起因しており、意味は“Best Regards”

 そんな訳で歴史的経緯でいえば、このProject Stretch内での定義が最初に1Byte=8bitを定めたもの、という回答になるかと思う。

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