国立国会図書館は5月19日、絶版になった本など入手困難な資料を、個人がネット経由で閲覧可能にする「個人向けデジタル化資料送信サービス」を始めた。同図書館が収集する資料をデジタル化したもののうち、3カ月以内に入手困難な状態が解決する可能性が低い約153万点を閲覧可能にする。
閲覧できる資料の内訳は、1968年までに収集した図書約55万点、古典資料約2万点など。明治以降に発行された雑誌のうち、商業出版されておらず、刊行から5年以上が経過した資料約82万点も含む。
日本に住む、国立国会図書館の利用登録を済ませた個人を対象に提供する。サービスの利用料は無料。利用登録はネットでも済ませられる。当面はPCやスマートフォン、タブレット端末での閲覧のみ可能だが、2023年1月をめどに資料を印刷できるサービスも提供する。
国立国会図書館はすでに、同様のサービスを公共図書館や大学図書館向けに提供している。一方で個人向けには提供しておらず、著作権保護期間が満了となった資料約56万点のみ、絶版本などとは別にネット経由で閲覧できるようにしていた。
しかしコロナ禍でデジタル資料の需要が増したことを受け、政府が2021年6月に著作権法を改正。これにより、デジタル化した絶版本などをネット経由で個人に送信できるようになったことから、今回のサービス開始に至った。
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