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保存食を普段使いに 「ローリングストック」を生活に取り入れてみませんか?デジタル防災を始めよう(1/2 ページ)

» 2022年06月21日 11時29分 公開
[戸津弘貴ITmedia]

 このところあちこちで揺れがあったり、梅雨で風水害の危険性も迫ってたりと、心配の種は尽きない。新型コロナウイルスの状況は落ち着きつつあるが、子供を中心に急性肝炎が増えてきたり、第7波も噂されるなど予断を許さない状況は続いている。

 自分や家族の住環境や行動エリアに応じた防災計画を組み立てる「マイタイムライン」の重要性は連載開始以来お伝えしてきているが、日常生活に防災要素を取り入れる「防災スタイル」についても年初から提案している。

 その「防災スタイル」の最初の一歩として「ローリングストック」をご紹介したい。

photo ローリングストックで使える食品群

日常で使うアイテムを防災用の備蓄としても活用する「ローリングストック」

 防災備蓄というと、乾パンや缶詰などの非常食を思い浮かべるが、非常時で水も少ない中で乾パンを食べるというのはなかなか難しい。最近ではアルファ化米なども取り入れられてきているが、それらも調理に水(お湯)が必要だったりする。

 さらに、非常食は賞味期限が5年や7年、ものによっては10年など長期保存できるものもあるが、しまったきりでどこに保管していたか忘れてしまったり、いつの間にか賞味期限が切れていたりする。

 もちろん、非常持ち出し袋などにすぐ食べられる非常食を入れておくのは有効だが、1週間、2週間分もの非常食を備蓄していても有効に活用できる確率は低い。そこで重要なのがローリングストックとなる。

 英語でrolling stockというと鉄道車両のことで、ローリングストックというのは循環在庫を示す和製英語だが、防災向けの用語として便利で理解しやすいので、日本では一般的に使われ始めている。

 ローリングストックとは、例えばこういうことだ。

 レトルト食品や缶詰、パスタなどの乾麺やカップ麺、インスタントの袋麺など日常で使う常温で日持ちのする食品などを1週間〜10日分以上自宅に買いだめしておき、期限が迫っているものから消費していく。これがローリングストック。

photo ローリングストックの例

 このやり方なら、日常の食糧備蓄をそのまま非常時の備蓄として活用できる。さらに良いのは、食べ慣れているものなので非常時でも普段と同じように調理して食べることができる。米も、常に開封していない5kg袋がある状態にしておけば1カ月は持つのではないだろうか?(育ち盛りのお子さんがいる家庭では、別途分量を算出など調整が必要かもしれないが)

 登山やキャンプなどを趣味にしている人は、アウトドア用の携行食を多めに用意しておき、こちらも順番に消費していくローリングストックで活用できる。

 一説によると、日本におけるパスタや缶詰なども含めた家庭内食料備蓄に関して、1カ月分は既にあるという調査結果もあるそうなので、家庭内の食糧をチェックしてどこに何があるのか、肉や野菜などの生鮮食品以外に日持ちのする食料はどういったものがあるかなどを確認しておきたい。

 例えば、パスタはたくさんあるが、パスタソースになるものがないなど、備蓄のバランスが悪い可能性もあるので、やりくり可能な構成を徐々に整えていくと良いだろう。

 具体的なアイテムに関しては今後の連載でも紹介していこうと思う。

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