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どんなメロディもバッハ風にするAIサービス 編曲を“巨匠に依頼”した 美しい演奏を聞けるのか?遊んで学べる「Experiments with Google」(第21回)(1/2 ページ)

» 2022年09月30日 17時40分 公開
[佐藤信彦ITmedia]

 「Experiments with Google」は、Googleが人工知能(AI)や拡張現実(AR)といった最新技術の可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。

 この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや、技術の活用方法とその目的を解説する。

 読者の皆さんも、ぜひ自分の手で試しながらその仕組みを学んでもらえたらうれしい。きっと、最新技術の魅力に気付くはずだ。

芸術の秋は「Assisted Melody」で音楽を楽しもう

 猛暑の夏がやっと終わり、秋の気配が漂ってきた。芸術の秋といわれる通り、落ち着いて芸術を楽しむのに最適な季節だ。そこで今回は芸術をテーマにしたい。取り上げるのは、AI×音楽で遊べるWebアプリ「Assisted Melody」だ。

photo 音楽で遊べるAIサービス(出典:Google)

入力したメロディの編曲を、巨匠に依頼する

 Assisted Melodyは、画面上の五線譜に書き込んだメロディを“クラシック音楽の巨匠たち風”に演奏してくれる。Assisted Melodyが学習した巨匠は、バッハとモーツァルト、ベートーベンの3人だ。巨匠の作品を学習したAIがメロディをアレンジするので、まるで彼らの作品のように聴こえるらしい。

 果たして本当にうまく編曲されるのだろうか。PCやスマートフォンで簡単に動かせるWebアプリなので、早速試してみよう。

photo バッハ、モーツァルト、ベートーベンが編曲してくれる

4小節分のメロディを入力 鍵盤を弾く? 五線譜に書き込む?

 まずはメロディを入力する。デスクトップミュージックソフト(DTMソフト)でメロディを入力するときと同様に入力方法は2種類ある。画面上部の鍵盤か、画面下部の五線譜から選べるので、やりやすい方法を選ぼう。今回試す曲は、以前オペラAI「Blob Opera」を試した際にも使った「かえるのがっしょう」にしてみた。

 早速PCでAssisted Melodyをスタートし、マウスで鍵盤をクリックしてメロディを演奏してみた。しかし規定の速度で弾く必要があり、これが予想以上に早くて思うように入力できない。マウスのクリックタイミングが多少ずれても、リズムはクオンタイズ機能で自動調整してくれる。何が難しいのかというと、マウスで鍵盤を遅延なく弾くことだ。PCではなくiPadで試してみたが、指で弾いても規定の速度に追い付かない。

photo マウスで鍵盤をクリックして演奏したが、うまくいかなかった
規定のスピードで動く縦線についていけない様子は、動画だと分かりやすい

 そこで、諦めて五線譜にメロディを書き込んだ。これなら焦らずじっくり取り組めるし、間違えても修正ができる。あと1小節あればメロディを最後まで入力できたのだが、4小節が上限らしい。とはいえこれだけの長さがあれば、Assisted Melodyを試すには十分だ。

五線譜を使えば、自分のペースでメロディを入力できる
アレンジを施す前にメロディを確認してみた
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