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誰でもオーケストラの指揮者に? Webアプリでクラシックの名曲を演奏したら、拍手喝采だった!遊んで学べる「Experiments with Google」(第24回)(1/2 ページ)

» 2022年10月29日 09時30分 公開
[佐藤信彦ITmedia]

 「Experiments with Google」は、Googleが人工知能(AI)や拡張現実(AR)といった最新技術の可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。

 この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや、技術の活用方法とその目的を解説する。

 読者の皆さんも、ぜひ自分の手で試しながらその仕組みを学んでもらえたらうれしい。きっと、最新技術の魅力に気付くはずだ。

憧れの指揮者になる! オーケストラの指揮を体験できるWebアプリ

 芸術の秋ということで、10月は音楽が題材のコンテンツを取り上げてきた。Webブラウザ上で楽器を演奏したりAI編曲サービスを試したりしてきたが、10月最終週の今回は音楽好き、特にクラシック音楽ファンなら一度は憧れるであろう、指揮者になってオーケストラを指揮できるWebアプリ「Semi-Conductor」を紹介する。

 オーケストラの演奏の良しあしは、各演奏者の技量だけでなく、指揮者の腕前が大きく影響する。指揮者は、譜面を読み解いて音楽を理解したうえで、それをオーケストラのメンバーに伝えなければならない。

 吹奏楽団や交響楽団の練習を見ていると、指揮者の指示一つでガラッと演奏の変わることがよくある。さらに本番中でもオーケストラをリアルタイムにコントロールして、複数の楽器をどう組み合わせて盛り上げていくか調整するなど重要なポジションだ。

 そんなオーケストラの完成度を左右する指揮者に、Semi-Conductorなら誰でもなれる。

photo Webブラウザ上でオーケストラの指揮を体験できる(出典:Google)

腕を振ってテンポや音量を調整 AIが腕の動きを解析

 WebブラウザでSemi-Conductorを起動した後、Webカメラに自身の姿を写して指揮をすると、Webブラウザ内のオーケストラが音楽を奏でてくれる。Webアプリなので、Webカメラ付きデバイスなら何でも使えると思ったら、スマートフォンやタブレットでは使えなかった。コンテンツの処理負荷が高いらしい。

 筆者はChromebookで動かしたが、後述する理由でもっと処理能力が高いノートPCやデスクトップPCの方が良かったかもしれない。

 Semi-Conductorは、Webカメラで手の動きを捉え、それをAIが解析して演奏に反映する仕組みだ。演奏を生かすも殺すも、文字通り指揮者の腕にかかっている。

 ただし、さすがに本物の指揮者ほど細かなコントロールはできない。Semi-Conductorで操作できるのは、演奏のテンポと音量、そして演奏する楽器パートの選択だ。

 具体的には腕を激しく振るほど、演奏のテンポが速くなる。音量は、腕の位置が高いほど大きく、低いほど小さい。また演奏を強調したいパートがあれば、腕をそのパートに向けて指示する。Webカメラに向かって左側で腕を振ると高音パート、右側で腕を振ると低音パートの演奏が目立つ。

photo 腕を速く動かすとテンポが上がる
photo 音量や演奏パートも、腕の動かし方を変えて指示する
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