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電熱ウェアは保管に注意 きっちり〇と事故の原因に節電テック(2/2 ページ)

» 2023年03月06日 18時15分 公開
[ITmedia]
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 冬物はかさばるのでなるべく小さくして収納したいと思うのは自然です。でも、電熱ウェアをきっちり折りたたんだり、タンスの奥に無理矢理突っ込んだりするのはNG。できれば吊り下げて保管してください。

 電熱ウェアの電熱線には主に炭素繊維が使われています。これは髪の毛よりも細い繊維を束ねたもので、電流を流すと発熱する仕組みです。

 しかし折りたたむなど物理的な負荷をかけ続けると内部の電熱線や電線が損傷し、断線したり、使用時に過度に発熱したりするおそれがあります。国民生活センターも注意喚起しています。

電熱ウェアの電熱線。シート状に見えても中には線が入っている(国民生活センターの報道資料より)

 国民生活センターが実施した実験では、断線部同士を意図的に不安定に接触させて通電したところ、わずか30秒で200℃に達しました。衣服の素材によっては溶けてしまったり、着ている人がやけどしたりする可能性があります。

 製品の説明書などにも「極力折りたたまずに保管する」ように書いてあるケースがあります。そうした記載はなくても「無理にねじることや叩くことなど、物理的な負荷を加える行為は禁止」などと書いてあります。

 国民生活センターによると、電熱ウェアに関する相談は17年4月から22年9月までに228件寄せられたそう。中には「衣服が焦げて穴が開いた」「背中にやけどした」といった内容もあったそうです。

断線部同士を意図的に不安定に接触させて通電したときの温度をサーモグラフィーで測定した写真。わずか30秒で200℃に達したそうです

連載:節電テック

節電に関するテクノロジーとテクニックをデータを添えて紹介する連載。クイズ形式になったり、内容がアナログになったりもします。

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