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書籍「ゲームの歴史」にツッコミ相次ぐ 「内容が事実と異なる」との声 講談社は「確認中」(1/2 ページ)

» 2023年03月16日 12時00分 公開
[谷井将人ITmedia]

 講談社から出版された書籍「ゲームの歴史」に、業界人から「内容が事実と異なる」「主張のために事実を拡大解釈している」「思い付きから逆算している」との指摘が相次いでいる。

photo 「ゲームの歴史 1」

 「ゲームの歴史」はヒット作「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」で知られる岩崎夏海さんとライターの稲田豊史さんによる著書(全3巻)で、2022年11月発売した。同書に対して「内容が事実とは異なるのではないか」と批判する声が3月ごろからTwitter上で挙がっている。

 前書きによると同書はコンピュータゲームの成り立ちを順を追って網羅的に書いたもの。著者たち独自の視点「岩崎・稲田史観」に基づいて、任天堂のゲーム機、ファイナルファンタジーVIIが業界に与えたインパクト、3D表現の進化、業界動向などについて語っている。

photo 「ゲームの歴史 1」の概要

 しかし、岩崎・稲田史観から語った同書の見解には、異を唱える声が多い。「ポケットモンスター」シリーズの制作にかかわったシナリオライター・とみさわ昭仁(@hitoqui_ponko)さんはTwitterで「(ポケモンは)「メンコ」から発想したとか書かれているようですね。そんなことはありません」と投稿している。

 ゲーム雑誌編集長を歴任したMW岩井(@mwiwai)さんも、とみさわさんの意見に同調し「(ポケモン生みの親である)田尻智さんから直接聞いたお話とも合致」するとツイート。続けて「書籍『ゲームの歴史』はひどい本」と酷評し「(田尻さんの話を)全無視して持論を、あたかも真実のように書いた著者のことが本当に許せなくて」と怒りをあらわにしている。

 iモードの立ち上げに携わった栗田穣崇さん(現ドワンゴ専務取締役COO)もiモードに関する記述について誤りを指摘した上で「着メロでの流れで生まれた『ファッション』という説をゲームに展開したいがために、事実と異なる部分をあえて無視、もしくは拡大解釈して説明しているように感じた」との感想を語った。

 IT系ライターの西田宗千佳さんも「思い付きから歴史を逆算して当てはめたであろう不整合が多いのが難点」「歴史の名を冠するべきでない内容」とツイートした。

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