自動車メーカーのホンダ(本田技研工業)は3月29日、自転車の電動アシスト化とコネクテッド化を実現する新サービス「SmaChari」(スマチャリ)を発表した。1947年に発売した自転車の補助エンジン「Honda A型」(通称:バタバタ)になぞらえ「現代版バタバタ」をうたう。
自転車に電動アシストユニットを後付けし、専用のスマートフォンアプリと連携して様々なサービスを提供する。取り付ける自転車に合わせ、法規に準拠したアシスト出力に設定したり、出力を制御したりする技術を新たに開発した。
ただしホンダが自ら自転車や電動ユニットを作るわけではないという。自転車メーカーなどに関連技術をライセンスし、運用/管理プラットフォームを有償提供することで、電動化ユニットや対応自転車の製造を促す考え。電動化した自転車が道路交通法などの基準に適合していることを示す「型式認定取得にも対応する」としている。
まずスポーツ自転車専門店「Y's Road」を展開するワイ・インターナショナルが第1号を9月に発売する予定だ。Y's Road全店とオンラインショップで取り扱う。
一方、エンドユーザーに対してはホンダが専用アプリとネットワークサービスを提供する。専用アプリでは走行時にバッテリー残量や位置情報を確認できる他、アプリとオンラインアカウントを活用して自転車の所有者情報を管理、NFCタグを利用してスマートフォンをシステム起動のワンタッチキーにするセキュリティ機能も実装する。
スマチャリはホンダの従業員を対象とした新事業創出プログラム「IGNITION」から生まれた。ホンダのオウンドメディア「Honda Stories」のインタビューによると、開発者の野村真成さん(本田技術研究所 ソリューションシステム開発センターのエンジニア)は、自身が高校生の頃、遠距離の通学に時間をとられた経験からスマチャリを発案。IGNITIONに応募した後、「これって現代版のバタバタだよね」と言われたという。
バタバタは、創業者の本田宗一郎さんが自転車で遠くまで買い物に行く妻を楽にしてあげたいと開発した逸話が残る製品だ。野村さんは「時代こそ違いますが、『周りの人を助けたい、移動を楽にしてあげたい』という基本的な想いは一緒です。結果、SmaChariはバタバタと非常に近い形になりました」としている。
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