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OpenAIの競合Anthropic、「Claude 2.1」でコンテキストウィンドウを20万トークンに

» 2023年11月22日 09時45分 公開
[ITmedia]

 GoogleやAmazon、SK Telecomなどが出資する米AI企業Anthropicは11月21日(現地時間)、米OpenAIの「ChatGPT」と競合するAIチャットbot「Claude」をバージョン2.1にアップデートしたと発表した。

 claude 1

 主な更新内容は、コンテキストウィンドウを従来の10万トークンから20万トークンに倍増させたこと、ハルシネーション率を半減させたこと、APIの採用の3点だ。

 コンテキストウィンドウとは、プロンプトに対する応答を生成する際にAIモデルがアクセスできるトークンの範囲を指す。OpenAIが先日のDevDayで発表した「GPT-4 Turbo」は12万8000トークンだ。

 Claudeに「20万トークンだと、例えばどんな日本の小説の要約が可能になりますか?」と尋ねたところ、「村上春樹の短編や夏目漱石の『こころ』」という答えだったが、「一方で、『漆黒の叫び』『銀河鉄道の夜』などの長編小説では、全体のPLOTを完全に要約するには容量が不十分かもしれません」という回答。

 ハルシネーション率は半減したということだったが、「漆黒の叫び」などという長編小説は存在しない。問いただすと、「申し訳ありません、『漆黒の叫び』は存在しない小説です。私が例として架空の長編小説のタイトルを挙げてしまいました。ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。小説のタイトルを創作することで、誤解を招く結果となってしまいました。次回から実在する小説作品の例示を心がけることで、このような誤りを避けたいと考えています。大変失礼いたしました」と謝罪した。

 claude 2 「漆黒の叫び」?

 APIの採用により、開発者はClaudeを既存の企業APIやデータベース、Webサービスに接続できるようになる。

 Claude 2.1は無料ユーザーも利用可能だが、20万トークンのコンテキストウィンドウはWebサイト経由のProユーザー(月額20ドル)限定だ。

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