この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Dockerのビルドが最大40倍高速になる「Docker Build Cloud」提供開始。Appleシリコン/AWS Graviton用のビルドにも対応」(2024年1月25日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Docker社は、クラウド上で高速にDockerコンテナのビルドを実行する新サービス「Docker Build Cloud」の提供を開始しました。
同社は昨年(2023年)10月に開催したイベント「DockerCon 23」で、次世代のDocker Buildを開発中であることを明らかにしていました。今回提供が発表されたDocker Build Cloudはこの、次世代のDocker Buildが正式サービス化されたものです。
Docker Build Cloudは、そのサービス名の通りクラウド上でDockerコンテナのビルドを実行するサービスです。同社によると、従来のローカルでのビルドと比較して最大で39倍も高速なビルドを実現します。
これはクラウド上のパワフルなマシンパワーを利用すること。そしてチーム内のメンバーが行ったビルド時のキャッシュを別のメンバーと共有することで不必要なビルドの処理が減り、より効率的なビルドが行えるためだと説明されています。
また、x86(AMD64)とArm64(Appleシリコン/AWS Graviton)のそれぞれのプロセッサに対応したDockerコンテナイメージの生成が可能。
さらに、GitHub Actionsを始めとする既存のCIソリューションとの連係も可能です。
これにより開発者がローカルで利用しているマシンの性能や種類に依存せず、簡単に高速かつ適切なビルドが実行が可能となり、開発者の待ち時間を大幅に減少でき、開発生産性の向上が期待できるとしています。
Docker Cloud Buildは、有償プランであるDocker Personal、Docker Pro、Docker Team、Docker Businessで利用可能になっています。
例えばDocker Personalであれば、AMD64とArm64の両方で8vCPU、16GBメモリのマシンによるビルドが月間50分まで利用可能。Docker Teamであれば、16vCPU、32GBメモリのマシンによるビルドが1アカウント当たり400分まで利用可能で、100GBのキャッシュが有効になっています。
さらに「Docker Build Cloud Team」プランとして、月間5ドル(年払いの場合)の料金で、16vCPU、32GBメモリのマシンによるビルドがアカウント当たり200分まで利用可能なプランも新たに用意されました。
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