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自社でAI活用を推進したい!……でも、誰をどう説得すればいい? 経営層や現場の“攻略法”とは

» 2024年02月20日 18時30分 公開
[原田果林ITmedia]

 生成AIをビジネスに活用したいと考える企業が増えている。最初はアイデアや熱意でAI活用を推進できるかもしれないが、いずれ必要になるのが「社内の理解」だ。AI活用と聞いてピンとこない経営者や、正確性を疑う現場の人間をどう説得すればいいのだろうか。

 このリアルすぎるテーマについて、全社を挙げてAI活用を推進するサイバーエージェントの毛利真崇さん(AI事業本部 AIクリエイティブDiv. 統括)と、さまざまな企業や組織で生成AIの活用を支援する深津貴之(THE GUILD 代表取締役)さんが、ITmedia主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO 2024 冬」(2月25日まで)の特別講演で語り合った。本記事ではその対談の一部をお届けする。

サイバーエージェントの試行錯誤 現場を説得した方法とは

 サイバーエージェントはAIを積極的に活用していることで知られている。インターネット広告の分野では、AIを活用した広告クリエイティブ制作支援システム「極予測AI」を自社開発。広告の効果を予測して画像やキャッチコピーなどを調整することで、効果が高い広告の制作に役立てている。しかし、リリース当初は社内でもなかなか理解を得られなかったと毛利さんは振り返る。

 「極予測AIをリリースしたばかりのころは、社内で(クリエイティブの効果予測が)『全然当たらないじゃないか』と言われました。そこで極予測AIを使った方が効果が高いことを示すために、実際に広告で使うクリエイティブを約10本用意して、どれがヒットしたものか現場の人にクイズを出しました。何回かやると現場の人たちが予測したものよりAIの方が正解率が高いことが示せるので、『ほらAIの方が効果予測が得意じゃないですか。だから使いましょう』と。そうした説明を草の根的に社内でやりましたね」(毛利さん)

ALT サイバーエージェントの毛利真崇さん(AI事業本部 AIクリエイティブDiv. 統括)

テックの言葉を「翻訳する」 最初に会うべきはあのポジション

 意思決定者の説得についてはどうすればいいのだろうか。深津さんは「経営者がAIに詳しいとは限らないので、AIの言葉、テックの言葉をどう“経営の言葉”に変えていくかが重要です」と話す。

 具体的には、AIを導入することで得られるコストメリットを示す必要があるという。かといって売り上げの増加は外的要因が大きいため保証できない。そこで説明すべきなのが内部コストの削減の話だ。

 「業務オペレーションやコストを変えたり圧縮したりするのは内部要因なのでコントロールしやすいです。まずは外部要因に左右されない部分でAIを試してみて、その上で成果が簡単に分かるところ――例えばある業務で労働時間をこれぐらい圧縮しますとか、事故率とかミス率をこれぐらいまで削減しますといったところから始めていくといいと思います」(深津さん)

ALT 深津貴之さん(THE GUILD 代表取締役)

 さらに深津さんは「AIを推進したいチームは、早い段階でCEOよりも先にCFO(最高財務責任者)に会っておくべき」だと言う。ではなぜCFOなのか、CFOと会って何を話せばいいのか――この続きはぜひ無料アーカイブ配信でチェックしてほしい。

明日から使える!生成AI活用のヒントをチェック

 深津さんとサイバーエージェントの毛利さんが、生成AI活用で日本企業が今すべきことから、各種ツールの使い分けまで徹底議論した講演はこちらから無料でご視聴いただけます。

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