次世代半導体の国産化を目指すラピダスは2月27日、米国の新興企業TenstorrentとエッジAI(人工知能)向け半導体の開発・製造で協業すると発表した。エッジAI向け半導体の開発に定評があるテンストレントと組み、現在、建設中の北海道千歳市の新工場での量産化を目指す。
エッジAIはスマートフォンや電子機器に直接搭載され、データセンターを介さず、その場で処理するため、消費電力を大幅に抑えられる。将来的に自動運転や産業用ロボットなどさまざまな分野での活用が期待されている。両社は23年11月にエッジAI向け半導体の開発で提携していた。
Tenstorrentは米Appleや米Intelで半導体の設計を手がけたジム・ケラー最高経営責任者(CEO)が2016年に設立。回路線幅が2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当のCPU(中央演算処理装置)の設計技術を持つ。
27日に東京都内で開かれた記者会見で、ジム・ケラーCEOは量産化について、「ラピダスの準備ができた段階で進めたい」と述べた。ラピダスの小池淳義社長は「世界の標準化を目指したい」と意気込んだ。
ラピダスが参画する技術研究組合の最先端半導体技術センター(LSTC)は9日に経済産業省から最大450億円の支援を受けると発表しており、今回の協業はこの枠組みで行われる。(黄金崎元)
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