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「災害水ストレス」1週間で限界に 被災地に温かいシャワーを提供したベンチャー企業、“長期断水”への備えを訴える(1/2 ページ)

» 2024年03月11日 15時56分 公開
[ITmedia]

 小規模分散型水循環システムを手がけるWOTA(ウォータ、東京都中央区)は3月11日、大規模な地震などで被災者が感じる「災害水ストレス」に関するリポートを公表した。令和6年能登半島地震で、被災地にシャワーや手洗い場を提供した経験を元に、長期の断水へ備える必要性を訴えた。

被災地にシャワーや手洗い場を提供した

 能登半島地震では、主要な浄水場や管路が被害を受け、10万人以上が“1カ月以上の断水”を経験したという。地震から2カ月以上が経過した現在でも、1万7250世帯が断水している(3月8日時点、厚生労働省調べ)。

 過去の震災でも同様で、例えば1995年の阪神・淡路大震災では水道が仮復旧するまでに約1カ月、神戸市全域の復旧には3カ月掛かった。東日本大震災(2011年)では復旧完了までに約6カ月半を要した。

 能登半島地震の場合、備蓄品の配給や救援物資もあって飲料水の問題は数日で解消した。しかし入浴や手洗いの機会は不足し、被災者を疲弊させたという。一部ではノロウイルスを含む消化器感染症が広がるなど、衛生面の不安も取り沙汰された。

災害時の水問題の歴史
能登半島地震における時間の経過と「災害水ストレス」を受けていた人の数

 WOTAは、心身の健康や衛生の維持に必要な水の利用が阻害されることを「災害水ストレス」と定義。能登半島地震の調査から、発災1週間後の災害水ストレス対策が重要だと指摘する。「1週間を過ぎると(被災者の)ストレスや衛生の低下が限界に近づいた」という。

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