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「災害水ストレス」1週間で限界に 被災地に温かいシャワーを提供したベンチャー企業、“長期断水”への備えを訴える(2/2 ページ)

» 2024年03月11日 15時56分 公開
[ITmedia]
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 対策としては、発災直後に最低限の衛生環境を確保するために携帯トイレやアルコール除菌の手段などを備蓄する。さらに災害水ストレス対策として、上下水道が停止しても利用できる入浴/手洗い/トイレ/洗濯のシステムを自治体や各種施設、協力企業などに配備するべきとしている。

 今後、高い確率で発生するといわれている首都直下地震では、能登半島地震の50倍にあたる480万人が、より広範囲な被害が予想される南海トラフ巨大地震では100倍超の最大3440万人が断水被害に遭うと予想されている。

WOTAの試算による対策規模

 WOTAの試算によると、こうした「国難級」の災害に備えるには、入浴システム約5万台、トイレシステム約49万台など計76万台が必要。事前配備のみで対応するのはコスト的にも現実的ではないため、災害発生時に全国からいち早く輸送するための仕組みや手段も検討するべきだという。

 「被災地域だけでは解決できない災害水ストレスに対し、有事に広域で連携し、情報共有、輸送、運用を可能にする支援体制やネットワークが必要だ」(WOTA)。

配備イメージ

 WOTAは、2014年設立の“水質ベンチャー”。独自の水処理自律制御技術を基盤に、自律分散型水循環システムの開発を手掛け、ポータブル水再生処理プラント「WOTA BOX」、ポータブル手洗いスタンド「WOSH」などを開発、販売している。

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